更新日:2018年07月10日 16:56
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「今、最もチケットの取れない講談師」神田松之丞が落語ではなく講談の道を選んだ理由

僕にはビジョンと突破力がある

――昨秋刊行の著書『絶滅危惧職、講談師を生きる』には、自分の天職を探してもがく日々が記されていました。高校2年で落語と出合い、談志師匠に憧れて芸人を目指したものの、どの芸の道に進むか? 講談の第一印象は、良かったわけではないそうですね。 松之丞:正直、つまんなかったです。談志師匠が「講談は神田伯龍がいいよ」って言うから寄席へ行ったんですけど、全20話ある“連続もの”の5話目とかから始まって、前の話のあらすじは説明しないし、声に抑揚もなくぶつっと終わる。講談を聞き慣れた常連に向けてやっている、一見さんお断り芸の極致でした。でも、匂いはあったんですね。 ――匂い、とは? 松之丞:その当時、講談って今以上に死んだ芸だったんですよ。でも、神田伯龍から「何十年もこの芸を信じてやってきたんだ、この芸がこよなく好きなんだ」という空気、香り、愛情を感じたんです。だから、知りたくなったんですよ。この人は講談の何がこんなに好きなのか、何を信じているのか。 ※このインタビューは7/10発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです 【神田松之丞】 ’83年、東京都出身。’07年に三代目神田松鯉に入門。’12年に二ツ目昇進。「連続物」と言われる『寛永宮本武蔵伝』全17席や、『天保水滸伝』など数々の読み物を異例の早さで継承。独演会のチケットは即日完売するほどの人気があり、講談普及の先頭に立つ活躍をしている 取材・文/吉田大助 撮影/水野嘉之
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週刊SPA!7/17・24合併号(7/10発売)

表紙の人/ 吉岡里帆

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