制汗シートくさい“ギャツビーおじさん”、若い女子に不評なワケ
デオドラント信仰の強い現代ビジネスマンにとって、真夏の強い味方となっているのが制汗シートだ。炎天下を駈けずり回り、取引先に駆けつけたはいいが、頭のテッペンから足元まで汗でビショビショで、そのまま商談に向かっては心象を悪くするのは必至。そこで、商談前にトイレの個室などで、ササッと風呂代わりにシートで汗をぬぐう。最近は顔だけではなく、全身を吹けるような大判タイプまであり、外回りが多くなくても、職場で“臭いおじさん”と思われたくない一心で、カバンに常備している御仁は多いことだろう。
『日本人はなぜ臭いと言われるのか』(桐村里紗著/光文社新書)の以下の記述から、全身くまなく制汗シートを塗りたくることは間違いであることがわかる。
<全身の汗は体温調整のために、必要があって出ているので、制汗剤は全身に使用するものではない。使うなら、脇の下や足の裏など、汗をかきやすく、蒸れやすく、においが強くなりやすい部分へのポイント使用にとどめよう。
また、常に汗腺をふさぐことでサラサラ汗がかけなくなると、汗のpHがアルカリ性に変化して、逆ににおいの原因菌が繁殖しやすくなる。ポイント使用でも、休みの日は制汗剤を使わないようにするなどして、汗腺の負担をとるといいだろう。>
汗はサラサラ汗の「エクリン汗腺」と、ベタベタ汗の「アポクリン汗腺」に大別される。主に体温調節のために発汗され、99%が水分である前者と、脇の下や陰部、肛門など限られた部位にのみ存在し臭いや黄ばみの元となる後者。全身に制汗シートを利用することで、臭いの元とならないエクリン汗腺の働きまで阻害することで、バランスが崩れて臭い汗をかきやすくなる。そして、また制汗シートを使うという“負のスパイラル”にハマってしまうというのだ。
また、同書の以下の記述から、女性からの不評が相次いだ理由も窺い知れる。
<男性よりも女性の方が嗅覚は敏感な傾向にある。年齢では、もちろん、どの感覚も加齢とともに鈍くなってくる。つまり、ミドル~シニアの男性ほど、においには鈍くなり、若い女性ほど敏感なのだ>
「夏の制汗シートは万能」だと誤解しいたずらに使いまくってるそこのアナタ。陰で「ギャツビーおじさん」と呼ばれているかもしれませんよ。<取材・文/日刊SPA!取材班>
当然のエチケットともいえる夏の制汗シート使いだが、あろうことか方々で不評を買っている。声の主は、若い女性たち。どのメーカーの制汗シートかはわからないまでも、代表的な商品名から「ギャツビーおじさん」と陰口を叩いているのだ。
「お昼のランチで外出した後に、必ず全身から強烈なアルコール臭を漂わせてくる40代のギャツビーおじさん。ほどほどの汗の臭いなら気にならないのに、なぜあえて毎回、存在感を出してくるのか理解できない。シートを使って体臭を気にしていること自体には好感が持てるけど、明らかに使いすぎなのは問題だと思う」(28歳・IT)
「制汗シートを使えばすべての臭いがリセットされると錯覚しているのか、強烈なニンニク臭を隠そうともせず、顔の脂だけはサラサラにしている、職場のギャツビーおじさん。シートの除菌臭とニンニク臭が混ざると、もう公害レベル」(26歳・建設事務)
「女子にも制汗シートはあるけど、あんなにキツいアルコール臭はしない。もっと無臭タイプのやつってないのかなって思う。それか、アルコールの臭いでマスキングしないと隠せないほど、素の体臭が強いのかって勘ぐっちゃう」(24歳・ホームセンター)
総じて「使いすぎはやめて」ということなのだろうか。使ってる側からすれば、制汗シートは周囲へのエチケットのほかに、「全身を制汗シートで拭えば、体中がスーッと涼しくて気持ちいいし、汚い汗が制御されて一石二鳥」ということなのだが……。が、
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