恋愛・結婚

メタボおじさんが綾瀬はるか似の美女と付き合えた「真夏の奇跡」

元気を取り戻した彼女から思わぬお礼が…

 高柳さんはジョギング後、すぐに冷房の効いた部屋で休むのが好きだったので、冷房は付けっ放しにしていた。 「緊張気味の彼女でしたが、僕の部屋に入るなり『涼しい……気持ちいい~』と笑ってくれたので少し安心しました。まさか、こんなことになるなんて夢にも思ってなかったので、部屋にはパンツを干したままだったので恥ずかしかったですね」  しばらくすると、彼女は元気を取り戻していった。なんとか熱中症にならずに済んだようだ。とはいえ、自分と一緒にいたら彼女はリラックスできないと思った高柳さんは、バスタオルとTシャツを彼女に渡し、「僕はこれから4~50分ジョギングしてくるから、テレビを見たりシャワーを浴びるなり好きに過ごしてて」と言い残して部屋を出た。 「いつものコースを走って、コンビニで2人分のサンドウィッチとアイスコーヒーを買って帰りました。彼女は『シャワーいただきました』と言って深々と頭を下げていましたね。そして一緒にサンドウィッチを食べながら、やっと自己紹介しました。そういえば、まだお互いの名前も知らなかったんですよ!(笑)」  朝食を済ませると、高柳さんは出社の準備をして、彼女に3000円を渡してからマンションの入口で別れた。 「無事にお母さんの所に行けたかな? と思いつつマンションに帰って郵便受けを開けてみたら、彼女からお礼の手紙と5千円札が入っていたんですよ。きっと、サンドウィッチやシャワーのお礼のつもりなんだろうけど……どうしても2000円返したいと思ってしまい、彼女の部屋のインターフォンを押してしまいました」  部屋から出てきた彼女は、ピシッとメイクをしており、さらに美しかったそう。 「2000円を返そうとしたら、彼女が『じゃあ、これで一緒にラーメン食べに行きませんか?』と誘ってくれたんですよ。ってことは、気持ち悪いと思われてないんだなとホッとしましたね」  そのときにLINEを交換。その後、何度か食事に行くうちに2人は付き合うことになったのだ。 中年メタボの奇跡 後日談として、実は彼女のほうも危機的状況から救ってくれた高柳さんに対して運命めいたものを感じていたらしい。 「すっぴんしか見せていなくて恥ずかしかったらしいのですが、『きっと今日、また会いにきてくれるはず』と期待しながら、完璧にメイクして待っていたって言うんですよ。可愛いヤツめ(笑)」  そうノロける高柳さん。ひょんなきっかけから、3年ぶりに彼女ができたのだから無理もない。 「まさか、自分の住んでいるマンションで出会いがあるなんて夢にも思わなかったです。毎朝ジョギングしようと決めた日の自分を『ありがとう!』と抱きしめたい気持ちですね」  夏ならではの出会いで美女を射止めた高柳さん。今年がもし冷夏だったら、こう上手くはいかなかったかもしれませんね。<取材・文・イラスト/鈴木詩子>
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。
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