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どっちが幸せ? 年収400万円で上場企業のヒラ vs 年収600万円で中小企業の管理職

中間管理職の給料は欧米2~4倍、日本1.8倍

 一方、中小企業の管理職のデメリットはやはり給料だ。仕事量と責任に見合った給料をもらうことができず、しかも上場企業に比べて倒産リスクも高い。 「日本の年功序列の雇用形態では管理職、つまりマネジメント能力への評価が著しく低い。職能給の欧米なら上場企業のマネジャーは年収1000万円超もらえますが、日本では年収800万円が関の山。中小企業ともなれば、なおさら仕事量が給料に反映されません」(城氏、以下同)  JETROの投資関連コストデータから編集部が独自に算出したところ、一般ワーカーに対する中間管理職の賃金が欧米では2~4倍なのに対し、日本は1.8倍と著しく低い結果になった。 [年収400万円vs600万円]勝or負の境界線 やはり中間管理職になるメリットは少ないのか。しかし、たとえ割に合わなくても、同対決は「年収600万円の中小企業の中間管理職の勝利」と城氏は話す。その理由は「ワークを諦めた人は、ライフも色褪せる」からだという。 「キャリアに自信がなければ、人間としての前向きさが失われます。年収も上がらず、社内での地位も低い中年窓際社員は急速にメンタルを病んでいく。今は70歳まで働かなくてはいけない時代ですから、非常にリスクが高い選択です」  最後に、それでも上場企業ならしがみつけると信じている人々に城氏から辛辣な一言が。 「仕事をしない、仕事ができない状態が5年以上続けば確実にリストラ対象です。そして、本人がしがみつこうと思っていても、辞めさせる方法はいくらでもある。無駄に人事部と戦うくらいなら、その情熱を中小企業でも新しい職場で発揮したほうがよほど充実した人生だと思いますよ」  サラリーマンである以上、最低限の肩書は必要なのである。 [年収400万円vs600万円]勝or負の境界線★結論……上場企業でもヒラ社員は安定を得られない。中小企業管理職の勝ち 【城 繁幸氏】 人事コンサルティング「Joe’ s Labo」代表。著書に『「10年失業」に備えるためにいま読んでおきたい話』(夜間飛行)など アンケート協力/エコンテ イラスト/ホセ・フランキー ― [年収400万円vs600万円]勝or負の境界線 ―
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