更新日:2018年12月18日 21:47
恋愛・結婚

完璧なクリスマスドライブ計画が、悪夢に変わった瞬間。「JAFが来ねぇぇ!」

エンジンもかからず寒さに震える2時間

悲惨なクリスマス   慌ててJAFに連絡をするが、クリスマスイブの遅い時間帯のためか、到着が2時間以上もかかってしまうとの連絡。 「車内のエアコンも止まってしまったんです。メチャメチャ寒くて、車内は外と同じ気温。香織と僕はがたがた震えてしまって。トランクに積んでいた毛布を発見したので、2人で毛布をかぶりながら、ひたすらJAFを待ち続けたんです。車内の空気はもう最悪でした」  香織さんの機嫌も悪くなり、散々なクリスマスになってしまった。小林さんは、この過酷な状況に耐えるには、もっと悲惨なクリスマスを過ごした人を話題にするしかないと考えた。そして、苦しまぎれにヘンテコな小噺を始めたという。 ドライブ「僕の知り合いに、遊び人がいてね。クリスマスの夜、複数の女性と関係のあった彼は、何人もの女性からLINEが来たんだよ。『メリークリスマス!! 一緒に過ごせないけど、年に一度の親孝行だもんね!久しぶりの実家も楽しんでね』。実は実家に帰省して母親の誕生日を祝っているというお決まりの嘘を、遊び人の彼は6人の女性に伝えていたんだよ。  そんな中、一緒に過ごしていた本命女性が、『ねえ、今日はお母さんの誕生日なの? 実家に帰省ってなに?』と。なぜ彼女が知っているんだと彼は頭の中が真っ白になった。どうしてバレてしまったと思う?」  そう問いかけると、香織さんは「わからない」と首を振った。そこで小林さんが「フェイスブックのタイムラインのコメントに数名の女性から、『お母さんの誕生日おめでとう!!久しぶりの実家はどう?』と書かれたんだ。それを本命の彼女に見られて、ウソがばれてしまった。結局、1人ぼっちのクリスマスを迎えたそうだよ」  このあまり面白いとは思えない小噺に、なぜか香織さんは大笑い。つられて小林さんも笑うと、体が少し温まってきた。少し経ってから、やっとJAFが到着して、二人はコールドクリスマスから解放されたのだ。  後日談ではあるが、香織さんは実はあの時「この寒い時に、なにクソ寒いこと言ってんだ、コイツは?」と思ったが、JAFを待ち続けるしかない状況で、何とか場を和らげようとする小林さんの姿に、逆に心を打たれたと本音を打ち明けている。結局、トラブルを凌げたのは、香織さんの度量の広さにあったことはいうまでもないだろう。<取材・文/夏目かをる 取材協力/矢加部英達>
コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪
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