年明けに戻ってきたマミさんと都内のレストランで新年会。夜景がきれいなイタリアンレストランでほろ酔いになった彼女をマンションに送り届けた。そこで本木さんはある行動をとったのだ。 「マミがうたた寝した隙に、彼女がいつも使っている手帳をのぞいたんです。そしたら、びっくり。まさかこんなことが……」 　手帳には大みそかから正月にかけて、関西の高級ホテルに宿泊と書きこまれている。他にも、夜の時間帯に都内のホテルや、箱根などの温泉ホテルの名前も記されていた。そして、とある名刺が挟んであった。なんとそれはデートクラブのものだったのだ。 「すぐに起こして問い質すと、『ごめんなさい』と。旅行代理店勤務というのは嘘で、マミはデートクラブに入会していたんです。しかも高級クラスに入るデートクラブ。大みそかの夜に鍋パーティーをドタキャンされたのは、急に顧客から連絡があって呼ばれたからと分かり、絶望しました」 　怒りと悲しみがない交ぜになった気持ちを持ちながらも、泣きながら謝るマミさんを見ると何も言えず、許してしまったという本木さん。デートクラブを今すぐ辞めると約束させ、その日は別れたそうだ。だが…… 「次の日からLINEの返信がなくなりました。始めはマミに何かあったのか不安になりましたが、1週間ほど経過し、『あ、ブロックされたんだな』と分かりました。多分、タダで料理を教えてもらいたくて僕と付き合ったんでしょうね。騙されてたのは悔しいけど、あんないい女、二度と現れないだろうなぁ」 　大晦日のドタキャン。そして新年一発目で失恋した本木さん。その年の彼が女性不信に陥ったのは言うまでもないだろう。〈取材・文/夏目かをる〉コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛＆婚活＆結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆～恋、のような気分で♪」