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「死に至る中年の病」が増加…NASH、食道胃接合部がんの恐怖

胃がんでも食道がんでもない「食道胃接合部がん」

 国立がんセンターの最新がん統計によると、日本人男性の部位別死亡数の第1位は「肺がん」、第2位は「胃がん」、第3位は「大腸がん」。がんで死亡する日本人男性の半数近くがこの3部位のがんであるが、前出の阿保院長によれば「近年『食道胃接合部がん』というがんが増加傾向にある」という。 「食道胃接合部がん」とは、読んで字のごとく食道と胃のつなぎ目に発生するがんである。 「胃がんはヘリコバクター・ピロリ菌の感染減により減少傾向にありますが、日本人の食生活の変化により、胃がん以外の欧米型がんが増えてきています。食道胃接合部がんはその一種。昔は噴門がんとも呼ばれていましたが、この呼び方になったのは最近のことです」  このがんが増加中である原因は、食生活が欧米化し、肥満が社会問題化したことと密接に関係している。 「食道胃接合部がんの原因のひとつは『胃酸の逆流』。肥満などにより腹圧が上昇することで胃酸が逆流するのです。“頸(くび)”“胸”“腹”の3か所を手術するケースが多く、施術の危険性も高い。リンパ系にも転移しやすく、非常に厄介ながんです」  なんとも恐ろしいがんだが、予防など対策はあるのだろうか? 「初期に発見できれば対応できるので、内視鏡による早期発見が第一。このがんにかかわらず、がん対策には定期的な内視鏡検査を強くおすすめします。日本の内視鏡医療は世界でもトップクラスで、日に日に技術が進歩している分野。静脈注射によるほぼ無痛の内視鏡検査を行っている医療機関も増えています。医療関係者の中には、人間ドッグの際にバリウムによる検査をはさまず、直接内視鏡検査に進んでしまう人も多いですよ」  内視鏡大国・日本に住んでいるからには、その利点を生かさない手はない。 【阿保院長プロフィール】 阿保義久 東京大学医学部卒業。腫瘍外科・血管外科医。2000年に北青山Dクリニックを設立。下肢静脈瘤の日帰り根治手術椎間板ヘルニアのレーザー治療痛みのない内視鏡検査進行がんに対する革新的治療―がん遺伝子治療まで、質の高い医療サービスの提供に励んでいる。著書に『アンチ・エイジング革命(講談社)』、『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』、『尊厳あるがん治療(医学舎)』などがある。 ― 本当は怖い中年の病気 Vol.2 ―
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