更新日:2019年11月22日 15:03
エンタメ

「脱がない私に価値はないの?」アラサーグラドルの苦悶と再出発

水着だけでは生きていけない

 この世界に残っている女のコの武器は、水着だけではない。演技にしろ、歌にしろ、ゲーム、競馬、麻雀……挙げたらキリがないが、みんなプラスアルファをもっている。  水着以外になにもないと、脱ぐか脱がないか、それだけの選択肢となる。脱ぐという行為は一か八かだし、脱がないことを選べば事務所から飼い殺しにされる可能性も高い。  昔、散々に私をこき下ろした事務所の社長から「活躍みてます。また一緒にお仕事が出来たら」というメールがきた。お昼の情報番組に出たときは最初に所属した事務所の社長がTV局に「吉沢さりぃを世に出したのは俺だ!」と意気揚々と電話してきた。どちらの事務所でも私は冷遇されていたから、彼らが一瞬でも私に対して「惜しい」という感情を持ってくれたことは素直にうれしい。
吉沢さりぃ

ハイボールを片手にパソコンと向き合う(笑)

 借金もないけど、定職もなければ貯金もない、夢も希望もない……そんなアラサーだった私の生活は今、“やりたいこと” で溢れている。  今後に不安がないかと聞かれれば、正直、不安でしかない。ただ、来年も再来年も水着は着ているだろうし、文章も書いているだろうなと思う。現役グラドル兼ライターという肩書きを名乗っているが、カテゴライズされるのは好きではない。“グラドル” でも“ライター” でもなく、ただ自由に「吉沢さりぃ」をやり続けたい。  現状、まだまだ成功したわけでもない私が、グラドルのセカンドキャリアについて語るのはおこがましいかもしれないが、こだわりや変なプライドをなくしたことで可能性を広げられたことは確かだろう。<文/吉沢さりぃ>
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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