必見!2009[ヒットしなかった陰の名作]アワード【マンガ部門】

【マンガ】 一言では説明できなくても味わい深い良質なマンガが 【南 信長さん】 マンガ解説者。『朝日新聞』『アサヒ芸能』などでマンガ評連載中。著書『現代マンガの冒険者たち』(NTT出版)、共著『消えたマンガ雑誌』(メディアファクトリー)。『このマンガがすごい!2010』(宝島社)にも寄稿 ★金賞 『ミツバチのキス』1~2巻 (著・伊図 透/双葉社) 触れた相手の過去・現在・そこから予測される未来のすべてが(嫌でも)わかってしまう少女の苦悩とその力を諜報活動に利用しようとする政府の暗躍を描く。「新人ながら、世界観の確かさ、セリフ運びの巧みさ、ビジュアルイメージの豊かさにおいてダントツの完成度」 ★銀賞 『ファイトじじいクラブ』 (著・山本健太郎/エンターブレイン) 「新人の初作品集ですが、とにかく表題作が震えるほどにカッコいい。亡くなった父方と母方の祖父が夢の中で繰り広げるケンカファイトから男の生き様を学び、子供ながらに人生の困難を乗り越えようとする主人公の小1男子の”ボーッとしてるくせにハードボイルド”なキャラが最高です」 『もと子先生の恋人』 (著・田中ユタカ/白泉社) 女性漫画家と担当編集者の仕事と恋を描くフィクション系”漫画家マンガ”。「作家と担当という関係を踏み越えて恋人となって以降、仕事についての描写に深みが増す。仕事とは何かを考えさせられる”お仕事マンガ”としても読める」 『ポテン生活』1~2巻 (著・木下晋也/講談社) 『モーニング』でひっそり1ページ連載してる8コマギャグ。「つい見過ごすというか見つけられないときもあるほどの存在感。内容も、まったく力が入ってないように見える。でもその脱力具合がクセになる」 『少年少女ランドマーク』 (著・大澄 剛/小学館) 特別な才能もなく美男美女でもないカップルたちが織り成す人生のドラマをしみじみとしかし力強く描く。「人と人の距離の取り方、愛情の表現法に正解はない、そんな当たり前のことを再認識させてくれる連作集」 ★番外 『羣青』 (著・中村 珍/講談社) レズの殺人者カップルの逃避行を描いた激アツのロードムービー風作品。『モーニング・ツー』で連載していて、今秋単行本化されるはずが、担当編集者とモメて発売中止に。その経緯は作者自身のブログに詳しい 「2~3年前からちょっとしたブームとなっている”漫画家マンガ”がますます隆盛に」と語るのは、マンガ解説者の南信長さん。 「その決定版があの『デスノート』のコンビが再びタッグを組んだ『バクマン。』(作/大場つぐみ、画/小畑健)。原稿料やジャンプのアンケート主義などを具体的に描いた部分と、新人漫画家の高校生コンビが持ち込みからデビュー、連載を獲得して……という架空の部分を巧みに融合させて話題に。ほかに、今年は携帯配信マンガを単行本化した作品で、それなりに良質な作品が目立った。携帯でマンガを読むというのは、個人的には抵抗がありますが、そこから単行本が生まれることを考えれば、作品発表の場としての役割は今後ますます大きくなってくるかも」 逆に名作でもヒットしない訳は? 「今回紹介したマンガのうち4つがそうなんですが、やはり掲載誌がマイナーだということ。なおかつ一言で内容や面白さを説明できない。じっくり読まないと良さがわかりにくいものは、ベストセラーになりしづらいですね。でも、あまり知られていない作品にも質の高い作品があることは確かなので、食わず嫌いせずにいろいろ読んでもらいたいです」 ― 必見!2009[ヒットしなかった陰の名作]アワード【3】 ―
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