この不況下に応募がほとんどない企業が、本当にあった!

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この不況下に応募がほとんどない企業が、本当にあった!
超買い手市場で企業は強気と思いきや……人材不足で四苦八苦!

「人材募集に対し、応募が極端に少ないことはほぼない」。これが某大手転職サイトや公的機関などの共通見解だ。しかしSPA!が取材を進めるにつれ、”募集をかけても、応募がほとんど来ない会社”が本当にあることがわかってきた。業種を調べてみると、DTP業界やクリーニング業界などがそれらに該当するようだ。ただ、該当の会社に取材を申し込むと、イメージダウンを恐れてか取材拒否の連続だった。そこで匿名を条件に、同業者に半ば無理やり話を聞いたところ……。

「某雑誌の編集部で、編集経験者募集の広告を自社雑誌で打ったんだよ。しかし応募してきたのは、大学7年生でまったくの未経験という女性と、職務経歴書と企画書はあれど履歴書がないという書類不備の2通のみ。採用どころか面接すら行えなかったんだって」(中堅出版社社員)

 手前味噌だが、人気業種のひとつであるはずのマスコミでさえ、こんな状況がありえるのだ。

完全失業者300万人超なのに、なぜウチには……

 その後、ついに都内の企業経営者に、実名で語ってもらう機会を得た。

 大正5年創業の(株)コトブキは、野球場・劇場・学校などにイスを製作・納入するほか、屋外遊具、パブリックアートなどを扱う中堅企業。都内の本社に加え、国内営業所・海外支社もある。しかし従業員620名を抱える代表取締役会長の深澤重幸氏の悩みは、新しい人材の確保だとか。

「わが社の新卒募集には、100人単位で応募が来ます。しかし失業者が300万人以上いるというのに、喉から手が出るほど欲しい経験者採用には苦労のし通しです。以前、ある大手の求職サイトに1週間告知を打ったにもかかわらず、応募者がたった3人ということもありました。またハローワーク等の公的施設でも募集をかけていますが、やはり手ごたえは感じられません」

 例えば、コトブキで現在も募集中の営業職は、年間休日120日・通勤手当5万円内・賞与2回・各種福利厚生ありなど、条件は決して悪くないのだが……。

「結局、ハローワークなどでは人材募集の情報が溢れすぎて、求職者は自分に合う仕事を選びきれないし、逆に企業側はピッタリの人材に出会うことができないのです。またウチのような大手でない企業、しかも何をしているかイメージが沸きにくい製造業は、応募がしにくいみたいで……。逆にアパレルや旅行などの業種は、わかりやすいから応募もしやすいようです。給与はこちらのほうが出せるだろうと思いますけどね(笑)」

 現在コトブキでは、特に募集しても不足しがちな技術者を海外支社で採用した人材を回すことで、対応しているという。

「将来の可能性がある日本人の20~30代を採用したくても、探すコストがかかりすぎるんです」

 そんな深澤氏は、求職者はイメージだけで応募をするのを止めることで、道が拓けると言う。

「知名度が低くても、優良な企業、面白い仕事はたくさんあります。地味でも、やってみれば面白くなっていく業種もありますから」

 しかし、それでも探しきれない場合はどうするかといえば……

「本当なら、教育機関がなんとかすべきだと思います。大学なら、卒業5年内の人を対象にした学生課を作り、企業の募集と求職者の橋渡しをするとか……」

 今回取材を受けてくれたコトブキ、また取材拒否された業種のように、一見馴染みのない企業をリサーチすれば、職にありつけるチャンスを得られるのかもしれない。

◆(株)コトブキ(本社:東京都千代田区)
公共施設のイスのパイオニア。
渋谷C.C.Lemonホールや、埼玉スタジアムのイスを納入している。
http://www.kotobuki.co.jp


― 目からウロコの[職探しの裏技]公開【2】 ―

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