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ユニクロコラボTシャツが大騒動、ネット転売で10倍以上の値段も…KAWSって何者?

“裏原系”ブームで日本でも知名度がアップ

 日本で知られるようになったのも’90年代末に巻き起こったポップな若者文化、俗にいう裏原系からだった。  ’99年、裏原カルチャーを牽引した国産ブランドの1つ、バウンティハンターがKAWSとのコラボフィギュアを発表。取扱店であるカリスマ的人気を誇ったセレクトショップ、リアルマッド へクティクには沢山の若者が押し寄せた。ファッションジャンキーだけでなく、海外トレンドオタクやトイコレクターなど、幅広い層が買い求めた結果、瞬く間にソールドアウト。KAWS初の立体作品というのもあり、世界中で話題となった。  以降、ア・ベイシング・エイプやメディコム・トイといった、多数の有名ドメスティックブランドと積極的にコラボを行う。特に後者とは東京・青山で共同プロジェクトのオリジナルフェイクを立ち上げ、トイやアパレルも展開。日本ではポップアートとファッションをリンクさせた第一人者として知られるように。  そして、パリで圧倒的存在感を放っていたセレクトショップ、コレットでの定例展示会。全米、ヨーロッパを巡った伝説のアートイベント『Beautiful Losers』参加などを経て、ワールドワイドなアーティストへ成長する。ザ・クリプス、カニエ・ウエストなど、ヒップホップ界のビッグネームのジャケットまで手がけ、特に若い世代からの支持、認知度はアート界屈指となっていた。
ジャケット

KAWSがアートワークを手がけたカニエ・ウエストの「808s & Heartbreak」※画像は、Amazonより

 2012年のメイシーズ・サンクスギヴィング・デイ・パレードでは、KAWS作品がシンボリックな巨大風船となり、アメリカの雑誌はこぞって彼に表紙のデザインを依頼。ナイキのエア・ジョーダン、大作映画の代名詞たるスターウォーズなど、鉄板コンテンツとのコラボも果たし、もはやその地位は揺るぎないものとなった。  日本での大ブレイクの影響からか、アジア圏での人気がズバ抜けて高いKAWS。携わるアイテムは間違いなくプレミア化するだけに、リーズナブルに入手できるユニクロとのコラボが狙い目となるのは当然だろう。本人はラストと表明しているものの、まだユニクロ側は明言に至らず。今回の騒動に乗れなかった諸兄、次回に期待しても良いかも。<文/金井幸男>
編集プロダクション勤務を経て、2002年にフリーランスとして独立。GETON!(学習研究社)、ストリートJACK(KK ベストセラーズ)、スマート(宝島社)、411、GOOUT、THE DAY(すべて三栄書房)など、ファッション誌を中心に活動する。また、紙媒体だけでなくOCEANSウェブやDiyer(s)をはじめとするWEBマガジンも担当。その他、ペットや美容、グルメ、スポーツ、カルチャーといった多ジャンルに携わり、メディア問わず寄稿している。
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