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ユニクロコラボTシャツが大騒動、ネット転売で10倍以上の値段も…KAWSって何者?

 6月7日、ユニクロのTシャツブランド「UT」と現代アーティストである「KAWS(カウズ)」のコラボTシャツが発売された。ユニクロ銀座店にはオープン前から長蛇の列ができ、中国の店舗では客同士の殴り合いが起きるほど大混乱。ユニクロとKAWSの協業は2016年から続く人気シリーズなのだが、今回の熱狂はかつてない規模である。
 その理由はカウズ自身のインスタグラムにあるようだ。「ユニクロ(UT)とのコラボは最後になる」。このコメントによりプレミアム感が上昇。飢餓感を煽られたファンや転売目的のゲストが押し寄せたとされている。
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@UNIQLO.UT @UNIQLO #UTxKAWS #KAWS

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 実際、定価は1500円(税別)だが、国内外のネットオークションでは10倍以上の価格で出品されているモデルも。とはいえ、ここまでのムーブメントを起こすアーティスト、KAWSとは一体何者なのだろうか?

ユニクロとのコラボしたKAWSって何者?

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現在オンラインストアで売られているカウズ UT(グラフィックTシャツ・半袖)1500円(+税)

 1974年、ニュージャージー州でKAWSは生まれた。1996年に現代アートに強いニューヨークの美術学校、School of Visual Artsを卒業。その後、フリーランスのアニメーターに。ディズニー傘下の制作会社でも働き、アニメシリーズ「101匹わんちゃん」に携わったとか。  そして、ほぼ同時期にグラフィティ・アーティストとしての活動を開始。壁や列車、ビルボード(街頭広告)などに、いわゆる“落書き”をしていったのだ。しかも、自身のサイン入りで。描いた絵の多くが、目を×で表現したポップさ溢れるスカル。今もKAWSのメインキャラクターとされるシンボルである。ちなみにこのスカルがベースの作品のほとんどは、ディズニーから学んだ著作権に関する知識が生かされており、某世界的キャラのエッセンスが多分に含まれているが、先方の権利を侵害しているとはいえない絶妙なデザインとなっている。
 当初は放置されていた彼のグラフィティだが徐々に話題となり、知名度が上がるにつれ持ち去られることが多くなっていった。今でいえば、港区・日の出駅近くの防潮扉に描かれた「ネズミの絵」で話題となったバンクシーが似ているといえるだろう。アメリカ以外の国、ヨーロッパ各地や日本などで、ゲリラ的に活動している点も近い。ただ、KAWSは上流階級が好むような難しい作風ではなく、誰もが興味を持つストリートスタイルに徹しているのが持ち味だ。
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“裏原系”ブームで日本でも知名度がアップ
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編集プロダクション勤務を経て、2002年にフリーランスとして独立。GETON!(学習研究社)、ストリートJACK(KK ベストセラーズ)、スマート(宝島社)、411、GOOUT、THE DAY(すべて三栄書房)など、ファッション誌を中心に活動する。また、紙媒体だけでなくOCEANSウェブやDiyer(s)をはじめとするWEBマガジンも担当。その他、ペットや美容、グルメ、スポーツ、カルチャーといった多ジャンルに携わり、メディア問わず寄稿している。

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