新卒から3年以内に辞めた人たちの末路。収入は大手時代の三分の一に…
大卒者の有効求人倍率が「1」を超え、世は空前の売り手市場とも言われているが、一方で新卒者の三年以内の離職率は実に3割を超える。若者にとって「選べる立場」だからこその高い離職率、とも言えそうだが、実際に離職してみたものの、うまくいくとは限らない。
「自動車メーカーで念願のデザイン部に配属されましたが、やらされたのは工業デザインを担当する部署でした。実用性よりもより芸術性の高い仕事をしたいと考え、思い切って会社を辞めたのは入社後2年目でした。付き合いのあったデザイン事務所からも『応援するよ』と言われていたのですが……」
国立の工業大学を卒業後、大手自動車メーカーに勤めた加藤仁太さん(仮名・20代)は、自身のやりたいことと課せられた仕事にギャップを感じて「辞めてしまった」一人。メーカーでは、車内空間のエクステリアデザインなどを担当していたが、やりたかったことは、もっと革新的なものだった、と説明するがイマイチ要領を得ない。
「取引先にも“芸術性を優先したい”という僕の気持ちをわかってくれる人がいました。協力者もいるし、一人でやりたいことをやれるな、と思い会社を辞めたのですが。確かに、何のビジョンもないし、メーカーの名前、威光があっただけ、ということに気がついていませんでした」
退職後、付き合いのあったメーカーまで挨拶に行くと「本当に辞めたのか」と驚かれた挙句、日参してようやくゲットできたのは「カタログ」制作の仕事だった。メーカー勤務時代には絶対にやりたくなかった「前時代的な紙の仕事」である。単価も恐ろしく安く、下請けメーカーの置かれている状況さえも、否応なく知らされた。結局、メーカー時代の三分の一程度の収入を得ることしかできず、現在はアルバイトをしながらなんとか食いつないでいるという。
大手から独立後、収入は三分の一に…
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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