頑なにSNSを拒む人の言い分
最近、名刺交換をした後に、「フェイスブック(FB)やってますので、お気軽に友達申請を」なんて言われることが増えた。電車やカフェで、クルクルとスマホからツイッターやFBを見ている人も多い。
実際、「ニールセン・インターネット視聴率」(ネットレイティングス社)によると、なんでも2012年1月のFBの訪問者数は1305万人(前月比104%)、ツイッターが1359万人(前月比101%)。訪問者を減らし、ときに「終わってる」と言われるミクシィだって平均訪問時間は158分と、いまだ、ほかのSNSに比べて圧倒的に長い平均視聴時間を誇っている。
もはや、“当たり前”のメディアとなりつつあるSNS。が、一方で、「嫌悪感」に近い拒否感を示す人も少なくない。
「ミクシィにしてもツイッターにしても、FBにしても何が楽しいのか、まったくわからないんですよ。『つながりたい』という一生懸命さもイタいですし、頑張って作ったそのつながりだって所詮、上辺だけですよね。そのほうが、余計に寂しくないですかねえ。フェイスブックの『いいね!』でしたっけ? みなさん、押すとき、本当に心から『いいね!』って思ってるんですか? 『いいね!』って、なんだか太鼓持ちっぽくないですか」(32歳・男・フリーター)
「よく行く飲み屋で知り合ったカップルの女のコのほうが、彼氏と大喧嘩して3日後に仲直りするまでの顛末を逐一、ツイートしてたらしいんです。『今から出てく!』『もう、終わりだとか』(笑)。だから、飲み屋の常連全員が2人の動向を知ってて……。自分のことを他人に晒す気持ちはまったく理解できないし、見たくもない」(31歳・女・販売)
「仕事で付き合いのあるおじさんたちが『FBを始めろ』ってうるさいんですよ。でも、もし始めたら、その人たちにいちいちリアクションしなきゃいけなくなるんですよね? 月に1回のセミナー後の懇親会にお付き合いするだけで私的には十分」(36歳・女・広告)
SNSの魅力や可能性について熱く語られても鼻白むが、こう頑なに拒絶されても困惑してしまう。SNSといっても所詮、コミュニケーションの媒体のひとつ。
AS YOU LIKEが、いいね! <取材・文/小山武蔵>
photo:Twitter for Android / Johan Larsson from Flickr
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