更新日:2023年04月18日 11:21
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“あおり運転僧侶”と間違われた住職を直撃。ネット上の罵詈雑言は残り続ける…

過去の過ちは生かされないのか?

 1999年お笑いタレントのスマイリーキクチさんが、ある殺人事件の犯人グループの一員だというデマを流された。まったく無関係であった本人は、その否定に東奔西走するが20年が経った今でも誹謗中傷の火はくすぶり続けている。

 無罪であることの証明があまりに困難であることから、司法の場でもそれは「悪魔の証明」と言われている。無関係の人物が藪から棒に突きつけられた罪に、誹謗中傷の絨毯爆撃をあびながら悪魔の証明をしてみせることの辛さは計り知れない。そうしたことからもスマイリーさんは今でも、同じような事件が起こるたびに、注意喚起をし続けている。  ここには大きく分けて2つの問題がある。まず一つは個人が独断で、加害者(と思われる)の情報を特定し拡散すること。これを拡散をする者の意見は「公表しない警察やマスコミが悪い」と言う。しかしそれによって、今回の寺のように無関係な人にまで当たる流れ弾の責任をどう取るというのだろう。  もうひとつの問題は「罪を犯したものは、何をされても仕方がない」という感覚があるということ。日本は法治国家であるが、誹謗中傷やイタズラ電話をする人々は「その法が甘い」と反論する。しかし、法の甘さは法に対して訴えるべきであり、現行の法の中で罪を犯した者に対して「ネット私刑」をおこなうのは全くの見当違いではないか。  何気なくSNSに書き込んだ、加害者(と思われる)ものの個人情報が、10人に拡散されるか、10万人に拡散されるか予測できるか。  今回の件に限った話ではないが、そんな予測もコントロールも効かないネット私刑には、厳しい罰が必要だと筆者は感じる。<取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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