雪上ドライブでボルボの限界領域を試してみた【後編】
今シーズンは全国的に降雪量が異様に多く、豪雪の被害に遭われた方々にはお見舞い申し上げますが、下流自動車評論家のマリオ高野は雪が多いと聞くだけでワクワクしてしまいます。なぜなら雪上ドライブは、クルマ好きの積年の夢を、簡単に叶えてくれるからです
マリオ高野=文 Text by Mario Takano
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
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今回乗ったのはS60という中型セダンの四輪駆動。豪雪地帯の路面は凹凸が激しいため、時にはガツン!とかなり激しい衝撃が伝わりますが、ボルボS60のボディは金庫のように堅牢かつサスペンションの容量がデカいので、車内の快適性は普通のアスファルト路面と変わりません。悪条件下でも乗り心地の良さや静粛性は損なわれず、500万円以上の金額の価値を実感しました。
排気量は3リッターもあるのでパワフルですが、四輪駆動なので滑りやすい雪の上でもタイヤはしっかりと前に進む力を発揮し、多少滑ってもほんの一瞬逆ハンドルを当てればすぐに安定を取り戻します。
実際にはクルマの出来が良いからなのですが、「オレがコントロールしているから立ち直せた」という感覚がすごく実感できるので、気分は完全に北欧出身のプロドライバーです。
その一方、旭川の市街地の交差点で不気味に黒光りするツルンツルンに磨かれたアイスバーンの上を通過すると、ハンドルを通して「ここは危ない!」ということを感覚的にドライバーに伝えてくれるなど、愚かな過信を抑制する効果も発揮。
まったく無茶なことをしないでも「クルマをコントロールしている感」と「性能を引き出せてる感」を味わい尽くすことができ、「うむ。ボルボの安定感は流石であるな」と、まるで正統派自動車評論家のような絶大な自信の元に、性能を評価することができたのでありました。
雪道では、クルマの性能をフルに発揮させる幸せが実感できます!
【結論】
普通の路面では命を削って走らねばわからないクルマの性能も、雪道なら、誰もが正統派自動車評論家のように「限界領域」を試すことができる! クルマ好き、運転好きは雪があるうちに雪上ドライブを楽しむべし!
電子制御の安全装置をOFFにすると、限界を超える感覚はより簡単に体験できるが、基本性能が優れたボルボは電子デバイスに頼らないでも高い安定感を発揮。旭川市の郊外では北欧的な景色も楽しめた
昔のボルボはレンガのように四角いデザインで野暮ったい雰囲気だったが、最近のボルボは全車ともオシャレセンスが高まった。堅実でマトモな生活を送る人が乗っていそう
― クルマ好き垂涎の雪上ドライブでボルボの限界領域を試してみた!!【2】 ―1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。その後、群馬県太田市へ移住し、現在は太田市議会議員に。X(旧Twitter):@takano_mario
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