ブログ市長×ひろゆき危険な対談
竹原節が烈火のごとく炸裂! 危険な対談がスタート
ブログでの過激発言がたびたび報道される竹原市長。
ひろゆきこと西村博之氏との対談は市長室で行われた。
西村:市長はいろいろとブログで発言をしていますけど、ブログをはじめたきっかけは?
竹原:昔は同じような内容をビラにして配っていたのね。だけど、それが大変だったからブログにしただけ。ブログがどういうものかとか今でもよくわからないんだ。
西村:ブログ市長とか呼ばれているのに(笑)?
竹原:文章を書いているうちに新しい考えを見つけられたり、自分のなかで整理されていなかったごまかしのようなものが分かって、社会の真実に近づけるような感じがするんだよ。それでブログを書いていただけなんだけど、あんなに騒がれたるのは不思議だなって……。
西村:失敗だったと思っていますか?
竹原:いや、むしろ成功だと思うよ。それが新聞とかに載って、私が悪者扱いされることで公務員改革が目立つようになればいいんだよね。この前、障害者や天皇のことを書いたのもその一環だったりするしさ。
◆皆さんが信じる社会は狂っている!
西村:市長は戦略家ですよね。もしや、トラブルも計算づくでは?
竹原:どうなんだろう(笑)。ただ、振り返ってみると、完璧に計算されているように見えるよね。でも、私は勝つことが目的ではなく、「この社会をどうにかしなきゃいかん!」という志をもって、やるべきことをやっているだけですよ。
西村:ちゃんとそう伝えればいいのに、市長は言葉が足りないから誤解されやすいんですよ。
竹原:ちゃんと話しても、メディアは悪意を持って私の言葉を意図的にかいつまむから。特に新聞は最低。それに国もね。公職選挙法の一件(*1)も、国は私がブログを更新したことが違法というけど、本来の意味で取れば選挙事務所が持っているブログは内容を全て消さなきゃいけないはず。でも、それは放っておいて、私のだけ違法だというのはおかしいでしょ?
西村:前例のない事象に例を作っているんですね(笑)。
竹原:そう。市民が信じている社会は全部狂っていて、まともじゃないの。それを知っていても誰も声を挙げない。市民は間違っているものを間違っていると言ってはいけないし、考える以前に意識の上に上らせてもいけない。だから私は市職員の給与を公開(*2)することで、「ふざけるな!」と公務員批判を展開しているの。そもそも、市の職員は「市長の命令に従わなければならない」ということを理解していないんだよ。
西村:でも、市長のやりかたもそろそろ浸透してきたのでは? 一回不信任になったのに、また戻ってきた(*3)のだから「たぶんこの人を追い出せないから従おう」って。
竹原:いや、全然浸透してないよ。職員は市議会と手を握り、私の難点をマスコミにリークし、犯罪者として突き出そうと考えているんじゃないの? そもそも議会を解散させたのも議会が腐っているからで。市長には解散の権利がないから挑発して不信任が出るように誘導したんだよ。
西村:それに議員さんたちは、引っ掛かっちゃったと。でも、市長は「人に嫌われたくない」とか感じたりはしないですか?
竹原:感じないかなぁ……。
西村:裁判所からは「一度辞めさせた職員を役所に戻せ」という通告(*4)が下りましたけど、その判断がおかしいとは?
竹原:当然、感じるよ。それでおかしいものに従ったら本当におかしくなる。私は世の中をどうにかしようとしてるんで、その目的のためには別に1人ぐらい犠牲になっても構わないと考えているの。
西村:例えば今回のように右翼が来たとき(*5)、職員の人は「ざまぁみろ」とか思っているんですかね?
竹原:わからないけど、阿久根市議の中にはそう思った人もいるでしょうね。「もしかしたら、なにかカラクリがあるのか?」と思って団体の支部がある久留米市まで行ったんだけど、彼らの施設の場所とかわからなくて、結局帰ってきちゃった。
西村:え、行ったんですか!? それって危ないですよ!
竹原:覚悟はできているからね。むしろ、生きているのが切なくて、「殺してもらえれば楽になるのに」って思ってるくらい。その辛さから解放されるために市政改革を進めようとするんだけど、一向に解放されないんだよね……。
*1・公職選挙法の一件
’08年8月に行われた阿久根市長選挙の選挙活動中、ブログの更新を行ったことで、県議や市議らに公職選挙法違反の疑いで阿久根署に刑事告訴されたこと
*2・市職員の給与を公開
’09年2月に、阿久根市職員268人の給与データをネット上で公開し、阿久根市民の平均給与が200万~300万円なのに対し、市職員は平均655万6000円と、大きな差が生じていることを明らかにした。また、竹原市長はその行動の理由として、阿久根市税20億円のうち、17億3000万円が人件費として計上されていることもあげている
*3・1回不信任になったのに、また戻ってきた
’09年4月の市議会臨時会において、竹原市長に対して議会から不信任決議案が提出され、賛成11、反対5で失職するも、同年5月に行われた出直し市長選挙に出馬。投票率82・59%と注目が集まるなか、対抗であった田中勇一氏に562票差の8449票を獲得。再選を果たした
*4・「一度辞めさせた職員を役所に戻せ」という通告
’09年4月に市庁舎内で掲示していた職員人件費の貼り紙をはがした男性職員に対して、市の賞罰審査委員会は文書勧告が妥当と判断したが、竹原氏は懲戒免職とした。男子職員はその後、鹿児島地裁に処分の取り消しを求め提訴。鹿児島地裁により判決確定まで効力の停止をするよう通告が行われた
*5・右翼が来たとき
取材当日の’09年12月21日と22日の両日。右翼団体が、阿久根市に来訪し、街宣活動を行った。また『南日本新聞』によれば、’10年1月24日にも、60台を超える右翼団体の街宣車が再び来訪。幹線道路などが一時渋滞する事態になった
竹原信一・阿久根市長初の著作
『独裁者 ブログ市長の革命』2月17日発売!
地方議会に巣食う「職業議員」や公務員労 組との戦い。本当の意味で地方行政を取り仕切るトップが、バッシングに屈 することなく身を呈して書き下ろす
●竹原信一氏
’59年生まれ。防衛大学進学後、航空自衛隊に入隊。’88年退官後、親の経営する建設会社にで取締役を務め、’05年に市議会議員、’08年に市長当選。公式ブログ(http://www5.diary.ne.jp/user/521727/)
●西村博之氏
’76年生まれ。2ちゃんねるの元管理人で、現在はニコニコ動画運営。本誌連載『ネット炎上観察記』を執筆中。著書は『』(小社)など
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