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1年間で15kg減の糖質制限に成功した医師が「現代人の正しい食事法」を解説

―[最強の糖質制限]―
 空前のブームのもと、さまざまな糖質制限のメソッドが存在。実際に痩せた人は何をしたのか。医師の“成功者”の体験談を基に、明かしていく。 最強の糖質制限

糖質制限を成功させた医師が説く現代人の「正しい食事法」とは!?

 厳格なカロリー制限や激しい運動をせずとも痩せる――メタボに悩む中年たちの間で昨今、話題となっている糖質制限ダイエット。 「私自身、ラーメンが好きすぎてメタボ健診に引っかかってしまい、糖質制限を始めることに。1年間で15kgの減量に成功しました」  そう語るのは、医師の亀川寛大氏。糖質制限というと「炭水化物を排除する」議論ばかりがされがちだが、ポイントはタンパク質と脂質の摂取にあると説く。 「タンパク質や脂質は体のあらゆる部位の材料になる最重要栄養素。これらを多く含んだ肉や卵、魚を十分に取ることで“結果的”に糖質の摂取量が減る食事法が、糖質制限の正しいあり方です。ただ炭水化物を抜けばいい、というわけではありません。日々の食生活でいかに体に必要な栄養素やエネルギーを摂り、不要なものを摂らないか。これが糖質制限ダイエット成功のカギになります」  そもそも糖質は人間が活動するために最初に使われるエネルギー源となるもの。デスクワークが中心の現代人は、ご飯やパンなどの炭水化物から糖質を過剰に摂取しがちだ。 「体内に入った炭水化物は血糖値の上昇を招き、それを下げるためにすい臓からインスリンを分泌しなくてはいけなくなる。インスリンは別名『肥満ホルモン』と呼ばれ、摂りすぎた糖質を中性脂肪に変えてしまうので、肥満を引き起こす原因になります。こうした作用があるからこそ、糖質は一日60~130gに“制限”し、良質な脂質やタンパク質をしっかり摂ることが大切となる。これこそが糖質制限の基本的な考え方です」  ちなみに、牛丼1杯の糖質量は並盛りで約95g。食パン1枚でも約26.6gもの糖質が含まれている。現代人がいかに糖質に依存しているかが窺える数値だ。 最強の糖質制限

糖質から脂質へ。エネルギー源に変化を!

 アキバ水野クリニック院長の水野雅登氏も、糖質制限の成功者の一人。白米や麺類を断ち、肉や卵、魚中心の食生活にシフトすることで体内に起きる変化についてこう説明してくれた。 「正しい糖質制限を始めると、3日から1週間ほどで数キロほど体重がストンと落ちます。これは全身に貯蓄されていた水分が抜けることによるもの。ここで気を緩めずに糖質制限を進めると、3週間から1か月で体内のエネルギー源が糖質から脂質へと切り替わる。この状態こそ、目指すべき状態なんです。皮下や内臓に蓄積された脂肪を燃焼し始めるので、余計な脂肪が落ちていく。自然と痩せていくんです」  つまり糖質制限では、水抜け⇒脂質の燃焼という2段階式で痩せていくのだ。  食を制するものが、糖質制限を制する。とはいえ、正しい食事法を身につけなければ、ダイエットにも健康にも決してよい影響を及ぼさない。 【亀川ひかるクリニック院長・亀川寛大氏】 一日1麺生活を改め、糖質制限を開始。『ラーメン好きの医者が教える糖質制限の外食ガイド』(マキノ出版)では60種類のメニューを自らの体で徹底調査 【アキバ水野クリニック院長・水野雅登氏】 両親とも糖尿病家系だった自らの体の変化をきっかけに糖質制限を中心とした治療を開始。著書に『最強の糖質制限ガイドブック』(アチーブメント出版)など <取材・文/週刊SPA!編集部>
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