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千葉県民「“みそピー”知らないってモグリだろ!」

「みそピー」なる食べ物をご存じか? ひと言で言えば、「炒った落花生に味噌と砂糖をからめて作ったもの」。千葉県出身である私にとっては「給食の定番」でもあったみそピー。それが、意外なほど知られていないことに気づき、その謎を探ってみた。

日出味噌醸造元より発売中の「金紋 みそピー」

 ある日、居酒屋でしこたま飲み、いよいよ皆、話すことがなくなった「もはや始発が出るのを待つのみ!」の頃、話題にのぼったのが「給食で何が好き?」だった。 「やっぱり揚げパンっしょ?」 「いやいや、ワカメご飯の、おかずのいらなさっぷりは捨てがたい」 「麦芽ゼリーの“バクガ”って響きはカッコよかった」 そんなどうでもいい議論を交わす中、私が発した 「余ったみそピーを奪い合った。権力者はみそピーを机の中に多数確保していた」 に、皆、声を揃えて「みそピーって?」。 千葉県出身である私にとっては「給食の人気メニュー」であり、慣れ親しんだ「空気のような存在」だったわけだが、他の人たちは「見たことも聞いたこともない」らしかった。 そこで「甘くて旨いんだよ!」と熱弁を振るうと、さらに「ご飯に甘いものを乗せるなんて意味がわからない」と切り返され、ケータイで画像を見せるも「食べたいと思えない」と一蹴されてしまった。 確かに、今住んでいる神奈川や、職場がある都内のスーパーではあまり見かけない。地元ではスーパーに行けば必ずあった「ヤツ」は、気づけば「遠い存在」になっていた。 「千葉のご当地ものなのか?」 そんな疑問を抱いた私は、ネットで製造元を調べると、意外や意外、会社は都内にあった。みそピーを手掛けて早50年(今年で50周年!)の(株)日出味噌醸造元に話を聞いてみた。 「千葉だけではなく、茨城県、栃木県でも給食として配給されています。売上としては千葉と北関東がダントツではありますが、北は北海道、西は名古屋、九州の北部でも普通にお買い求めいただけます」(広報・三上氏) もともとは千葉・茨城の郷土料理で、氏曰く「農家が繁忙期に、簡単に食事を済ませるために、ご飯に乗せて食べるものとして多く作り置きしていた」ようだ。また「落花生農家が、売るに売れない規格外の落花生を食べるために考案」したとも。 今から50年前、日出味噌醸造元の営業マンが千葉で偶然食べた「ピーナッツ味噌」を商品化、「みそピー」と名付けた。 ただ、知名度が低いことについては頭を抱えているようで、 「見た目から味が想像しづらいからでしょうか、千葉・北関東以外ではまだ認知されていないところが多いですね。食べていただければ、その甘さと美味しさがわかるとは思うんですが、なんて言うか、見た目がちょっとグロテスクなのも関係してるんですかね」(同) また、みそピーという存在を知った多くの人が疑問に思うのが、 「おかずなの? お菓子なの? ねえ、何なの?」 そのことについては 「おかずであり、箸休め、お菓子であり、お茶請けであり、おつまみでもあります」(同) としながらも、やはり「ご飯に乗せて食べる」のがスタンダードらしい。 「お客様の声を聞きますと、そのまま食べる方が一番多いですが、ご飯に乗せて食べる方、またはパンにピーナッツバターのように挟んで食べる方が主流のようです」(同) また、猛暑が予想される今夏、「冷凍してキンキンに冷やす」のもオススメだとか。 「冷凍庫に入れて冷やしますと、水あめが固くなって、美味しく召しあがれるかと思います。言うならば“和製スニッカーズ”ですね」(同) 今夏は、キンキンに冷えたビールのお供に、「冷たいみそピー」なんていかがだろうか。 取材・文/トモゾー
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