「自分はやはり、どこまでも経営者。それが一番得意なことですから」(三崎)
「資本主義」は参加人数の多すぎるソシャゲ
プロ奢:いまって無職なんですか?
三崎:そうですね。でも、いろいろ経験してみて自分のやりたいことって経営者だなと思ったので、今はそこに戻りたい。それしか趣味がないんですよ、会社経営しか。
プロ奢:あ~、わかる。僕は経営者じゃないですけど、PS4の「トロピコ6」っていうゲームがあって
三崎:あ、面白いですよね!
プロ奢:国を作って独裁するゲームなんですけど、めちゃくちゃ面白い。経営者の面白さってあれに似てるんじゃないかなって。
三崎:うん、作り上げていくっていうのが楽しい。
プロ奢:「こうしたらうまくいくんじゃないか」っていう仮説があって、なったりならなかったり、人を動かしたりね。まずトロピコ6やってることが意外だったけど(笑)。
三崎:大きくしてく過程がいいんですよ。
プロ奢:お金が欲しい経営者もいるけど、「青汁こうやったら売れんじゃね?」って計画立てて「うまくいっちゃったー!」ってのが楽しいわけですよね。成功した経営者って2パターンいて、シンプルにお金増やしゲームが好きな人と、シミュレーションゲームが楽しくて続けてたら結果お金も増えちゃった人と、同じように見えて全然違う経路を辿ってる。
三崎:僕は完全に後者ですね。だからお金はもう目的じゃないんですよ。
プロ奢:そもそも資本主義はソシャゲとして参加人数が多すぎるんで、お金の量で競うのは大変だし、幸せになりにくいと思います。僕に奢りにくる弁護士や社長とか、お金をドカーンと稼いじゃった人もお金じゃなくて、「フォロワーが欲しい」とか「お金なしで自分と向き合ってくれる人を探したい!」とか。最終的にお金を持つと、みんなそっちに流れますね。
三崎:あ~、お金持ちがインフルエンサーとかユーチューバーに憧れるのは、ありますね。
プロ奢:トレンドっすよね。お金を増やすっていう目的を人類から奪ったら、たいていの人はどう生きたらいいかわからなくなる。そこで現れるのが承認要求ですよ。たくさんの人にチヤホヤされたら幸せじゃね?っていう。
三崎:有名になりたいっていう経営者は周りにも増えてますね。お金で満たされた後はみんな自己顕示欲を満たしたくなるのかなー。僕もインスタで「お金払うから写真にタグ付けさせて欲しい」とか言われるんですけど、なんでそんなことになるの? とちょっと不思議なんですよね。
プロ奢:ゲームと一緒で、ずっと同じことできるのって変人ですから。どんだけ好きなお菓子でも、食べ続けたら飽きるじゃないですか。お金稼ぎゲームも一緒ですよ。
――(編集部)そもそも「お金を稼ぐのが難しい、大変だ」っていう人も多いと思うんですが、その場合はどうすればいいんでしょうか?
プロ奢:それは好きじゃないからですよ。トロピコ6が(笑)。手段を楽しめないなら無理にやらなくていい。
三崎:他のゲームが好きなんですかね、なんでなんだろう。
プロ奢:みんなそれぞれ好きなゲームやればいいんだけど、資本主義ゲームは一本しか用意されてない。だからお金稼ぎゲームをやりたくない人は、やらなきゃいいんです。