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サイバーエージェント傘下、異色プロレス団体の人気は“渋谷のギャル”から始まった

最終目標は人間ドラマのような…

――インタビューなどでも「赤字になるのが大嫌い」と発言されていますが、さいたまスーパーアリーナでの興行や、全席無料興行などもされています。経営的に見て、どういう判断で決めているのでしょうか。
高木三四郎

DDTプロレスリングのさらなる挑戦に期待だ

高木:それぞれに理由があったんです。2009年に両国国技館に進出して、2010年、2011年と連続でやったんです。でも最初のインパクトっていうのは、だんだん薄れていくわけです。ファンとともに進化していく、歩んでいくのを作り出していきたい。そうすると、単純にいうと器をかえていくしかなかったんです。  さいたまスーパーアリーナに進出したのは、両国よりハードルが高まるけどステップアップ感があるのでやりましたね。去年の大田区総合体育館の無料興行に関しては、DDTは毎年真夏に1万人規模の興行を、両国で行っていたんです。でも、去年は夏に両国を借りられなかったんです。大田区は3、4千人の会場だったんで、グレードダウン感が出るのが嫌だった。  大田区は会場費が安かったんで、入場料を無料にしちゃって物販で取り返せばある程度プラスになるんじゃないかなって思って。あくまで投資としての考えでした。 ――最後にDDTが理想とするプロレスとは…を聞きたいです。 高木:東京ドームが目標。でも、東京ドームが終わっても続かなきゃいけないジャンルだと思ってます。そこから終息していくのも嫌じゃないですか。アスリート志向が強い、日本のプロレスの価値観を崩したい。だからもっともっとエンターテイメントして楽しめるジャンルに特化すること。  勝負論は大事だけど、人間ドラマ的な部分。まじめな試合だったり、コミックな試合を織り交ぜながら展開するのがDDTのスタイルです。だから、バラエティ番組みたいなものにしたいんです。総合的なドラマが含まれているようなバラエティ番組。そういうのが理想ですね。 「人と違うことをやれ」という言葉はよく聞くが、実行するのは容易でない。そんな中、次々と新しい挑戦をする『DDTプロレスリング』。今後がさらに楽しみだと感じた筆者である。<取材・文/池守りぜね 撮影/鈴木大喜>
出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
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