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SKE48に咲く6年目の“桜”、末永桜花。花咲かすための地道な道のり

’20年の末永桜花

「私に期待することを聞いてみたい」 「握手会でファンの人と何を話したい」と先輩メンバーに聞かれた当時13歳、のちにSKE48の選抜に定着する末永桜花はそう答えた。  

お披露目時の末永桜花

 ’15年3月31日、のちに黄金世代と言われる“7D2”の一翼を担うSKE48・7期生がファンの前にお披露目される。彼女たちの世代には、加入からわずか5か月で松井玲奈の卒業シングル「前のめり」の選抜フロント入りをした後藤楽々(卒業生)、「意外にマンゴー」「無意識の色」の2作でシングルセンターを務めた小畑優奈(卒業生)、オーディションファン投票1位でのちにAKB48グループ歌唱力No.1に輝いた野島樺乃、SKE48とAKB48を経て、現在女優として活躍する木﨑ゆりあのいとこ浅井裕華など注目を浴びるメンバーが多くいた。  同じ7期生で加入し冒頭の言葉を放った末永はその中では比較的目立たない地味な女のコで、いわゆる端っこが定位置だった。  そんな彼女がファンの中で、徐々に注目を集めたきっかけがSKE48の聖地巡礼シリーズをブログに載せ続けたことだ。  聖地巡礼とはMV撮影地やSKE48にゆかりのある場所に足を運ぶことを指すのだが、彼女は愛知県内に止まらず、函館など遠方にも訪れている。  まだ幼い彼女の行動力と企画力は多くのファンに驚きを与え、その取り組みは次第にファンの心を掴んでいった。  これに留まることなく、彼女はガンダム好きを公表。なかでも『機動戦士ガンダムZZ』シリーズが好きとのことで、いま現在もルー・ルカというキャラクターなどの自前コスプレを握手会で定期的に披露し、度肝を抜いている。  ’16年の夏に初めて連載で取材した際、「よろしくお願いします」をすれ違うたびに言う丁寧すぎるコだった。  あまりにも何度も言うので、記憶に強く残り「そこまでしなくても」と思いはしたが実直さが伝わって、どんな成長をしていくのか楽しみにもなった。  その年の11月、チームEへの昇格を果たす。しかし、’17年に「意外にマンゴー」でセンターに抜擢された小畑優奈を筆頭に同世代の活躍は当時目覚しく、末永は少し霞んだ印象になってしまう。

「触らぬロマンス」のMVはラグビーシーンもある曲

 それでも腐ることなく着実に努力を重ね、’18年に「無意識の色」のカップリング「触らぬロマンス」でセンターに抜擢される。 「前にいる限りはどのメンバーにも負けないように」と自分を奮い立たせ、32人が参加、寒いなかでの半袖でのMV撮影を見事に乗り切ってみせた。  ここから彼女の努力は一気に身を結び始める。「いきなりパンチライン」で初めてのSKE48シングル選抜入り。世界選抜総選挙45位で初ランクイン。48グループの若手選抜楽曲へ度重なる参加。  初ランクインした総選挙前、彼女への取材をして思ったことがある。地元名古屋での総選挙。下馬評では先輩の松井珠理奈が1位、対抗馬はHKT48の宮脇咲良、SKE48の須田亜香里というのが大方の予想の固い選挙戦に見えた。  そんななか「最終目標は1位。ランクインをして少しでもそこに近づきたい」と取りようによっては宣戦布告とも言える発言してくれたのだ。  ほとんどの場合、ランクイン、選抜入りを目標にして、1位という順位を口にするメンバーは限られてくる。取材時はまだ「いきなりパンチライン」の選抜発表もない段階。ある意味表立った実績のないメンバーが1位を目指していると公言するのは、なかなか勇気が必要なことだと思う。  そのブレない強さも彼女を押し上げてきた推進力になっているように思えて仕方ない。
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