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新型コロナ「緊急事態宣言」のデマLINEが拡散。過去のチェーンメールと比べると…

 新型コロナウイルスの感染拡大による混乱のさなかにあった3月の終わり、知人からLINEが来た。そこには「緊急事態宣言が出る」「都市封鎖が発表される」というまことしやかな情報が。それは同時多発的に、多くの人にも届いていたようだ。しかし、それが誤報であったことは時間が証明した。
チェーンメール

LINEで拡散された「都市封鎖発表」の情報

 思い返してみれば、こうしたチェーンメールの類は今に始まったことではなく、ツールを変えてどの時代にも存在していた。今回はそうしたチェーンメールの歴史を振り返っていく。

令和版チェーンメール

 今回頒布された内容は次の通り。 「友達からです。永田町より。緊急事態宣言が4月2日に『発動』の可能性大。年度末を超えれば4月1日もアリです。テレビ局のプロデューサーからの情報なので確度の高い情報かと思います。大切な人に回してください」(抜粋)。
チェーンメール

結局、誰からの情報なんだよ……

 まず気になるのが、一体どこからの情報なのかがわからない。友達なのか永田町なのか、最後にはテレビ局のプロデューサーからとまで書いてある。この出所不明な書き方も怪しいが、「友達からです」というはじまりは、古典的で眉唾な怪談話の語りだしをしっかり踏襲していて可笑しみが深い。また、緊急事態宣言は文字通り宣言であるため「発出」などの言い回しはするが、決して「発動」とは言わない。  ではなぜ発動などと言ってしまうのか。答えは明快「仰々しくてカッコいいから」である。これはチェーンメールは読む者の不安を煽らなくては広まらないという特性のためだろう。エヴァンゲリオンやシン・ゴジラなどの世界観におけるあの仰々しさは、緊急的である雰囲気を醸成し、見るものを世界観に巻き込み不安を煽ろうとするものだ。  さらに、伝聞の情報という体裁にもかかわらず「年度末を超えれば4月1日もアリです」と、「お前誰だよ!」と言いたくなるような、立場のわからない言い回しが登場する詰めの甘さにも味わいが感じられる。

平成にもあった…おバカなチェーンメール

 今回はLINEで多く広まったが、平成には「メール」を使ったものが多く出回っていた。次のようなメールを記憶している人も多いだろう。 “体調を崩した妻のために、夫がオムライスを作ることになったが、卵が切れていたため買い物に出かける。しかしその途中で、通り魔にガソリンをかけられて焼死。妻は犯人を探し同じ目に合わせようと暴力団に依頼。暴力団がメールで犯人探しをしていて、このメールを10人に回さなければ暴力団がその人物を殺しにくる。メールを止めたものは本社に個人情報がいっている。
チェーンメール

イメージ写真

 こちらはかなり幼稚で、母性すらくすぐられる。何より、犯人もメールさえ回せば見逃されるというザルシステム。さらに唐突に「本社」という言葉がでてくるが、暴力団は本社や支社として動いてるのだろうか。これらによって、このメールが嘘だと気づいてしまうと、その夫に対し「チキンライスにすればよかったな」としか思えなくなる滋味深さがある。  しかし、このメールを受信した当時、中学1年生だったという男性(27歳)はこう言う。 「メールを読んで本当に怖かったし、すぐに回しました。多分クラスのほとんどが指定された人数に送ってたんじゃないかな。すごい長文で、当時はガラケーでパケホでもなかったから通信料が結構いっちゃって。親に怒られたのを覚えています(苦笑)」
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チェーンメールの元祖は大正時代?
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