更新日:2023年05月24日 15:32
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新型コロナ「緊急事態宣言」のデマLINEが拡散。過去のチェーンメールと比べると…

チェーンメールの元祖は大正時代?

 こうしたチェーンメールの話題を目にするにつけ、筆者(30代)は子供の頃に流行った「不幸の手紙」を思い出す。LINEはもちろんEメールさえなかった時代、送り主不明の手紙が郵便ポストや学校の机に入っていたという人が続出。  その文末は「この手紙を◯人に回さなければ、あなたに不幸が訪れます」と締められていて、この部分がこれまでに見てきたチェーンメールと同じ性質を帯びている。ただ感心するのは、現代のようにコピペすることもできないために、同じ文面を何枚も手書きし、さらには便箋や封書・切手代を支払っていたということだ。  では、日本でのチェーンメールの元祖はどこにあるのか。情報として残っているものは大正時代に遡る。大正11年1月29日の「東京朝日新聞」に、薄気味悪い「幸運の手紙」が流行し警視庁が動き始めたというような記事がある。幸運の手紙の文面には「◯人に回せば幸運が訪れ、回さなければ不幸になる」といった趣旨が書かれていたようだ。時代が下るにつれ、「幸運」の部分が失われ、不幸だけをばらまくものになったという。なんとも嫌な話だが、良い噂より悪い噂の方が広まるのと同じだろう。  このように、チェーンメールの類はいつの時代にもツールをサーフィンするように消えることがない。だとすれば、確かな感覚を持って見抜き、そうしたものに振り回されないように心がけるばかりである。<取材。文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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