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「スポーツジムは不要不急ではない」自粛営業するジム経営者の思い

 私は、健康な人を一人でも多く増やせたらと願っている。全国には多くのスポーツジムがある。それぞれのやり方で、できる限りの対策をしながら健康作りに取り組めば、間接的に3つの点で愛する日本への貢献ができる。 ①健康な人が増える→仕事を頑張れる人が増える→国力が上がる ②健康な人が増える→病院の負担が減る→医療費の削減に繋がる ③健康な人が増える→フィットネス人口が増えて儲かる→適切により多く納税できる  2月末の安倍首相の会見において、真っ先に業種を名指しされた汚名を、我々スポーツジム経営者は万全を期した上で挽回していく番ではないだろうか。どのような選択をしても、無傷で終われるような戦いではない。どのみち傷つくのであれば、私は前に出る。 マスクをしてトレーニングに励む この戦いは、情報社会による戦争だ。それぞれの立場から、自分とは違う立場にいる人たちの首を絞め合っている。スポーツジム、パチンコ、イベント業、接客業、主婦業、飲食業、風俗店、公務員、旅行業、医療従事者、政治家などなど。インターネットの力で四方八方から瞬時に飛んでくる(私を含めた)個人の自分勝手な希望、推測、不満の数々に、多くの人が怒り、傷つき、疲弊している。  自粛を声高に叫び、攻撃的になる人もいる。高齢だったり、既往症を抱えていたりする人は新型コロナウイルスに罹患すると死亡率が高くなるというデータもあるが、自粛してじっとしている間に体力が落ちて免疫力が弱まり、違う病気にかかって死んでしまう人のことは、同様に見捨ててもいいのだろうか。物事は一面的ではない。多面的であり、ひょっとしたら無限の見方のできる球体かもしれない。  正義とは? パニックとは? 新型コロナウイルスとは? 『ワカラナイ』という怪物は、人の本性を剥き出しにし、人間関係をも壊しにかかる。しかしこのような窮地のときにこそ、人としての真価が問われるときなのだと腹を決めている。狼狽して、大切な人に八つ当たりしていませんか? 狼狽しても、身近の困っている人に親切心を持てましたか? たった今から変われると思います。  新型コロナウイルスの実体は、徐々に解明されつつある。日を追うごとに、冷静さを取り戻していくだろう。私も、あなたも、あの人も。そして街も、国も、世界も……。今は世界中で甚大な被害が出ている最中だけれど、終わってみればあっけない幕切れとなるかもしれない。  絶対的な正解など、どこにもない。それが政府からの要請だとしても……。国からの支援策、指針も、日々二転三転している。明日はどうなるかわからない。それを頼りにして右往左往したくはない。私が右往左往すれば、従業員も顧客も右往左往してしまう。 「自分はパニック状態に陥っている」と自覚しながらも、自分が正しいと思った通りの徹底的な対策を立てる。そして顧客の不安を1ミリでも減らすような努力をする。それが私の立場からの自粛であり、正解だ。  懸命に奮闘している日本全国のスポーツジム経営者の皆さん、健康作りのための「スポーツジム来館は不要不急ではない」ということを、共に証明していきませんか? ボクシング 私は徹底的な衛生管理をし、経済活動をギリギリまで続ける。ここまで気をつけた上で、自分がもしも新型コロナウイルスにかかってしまったら、日頃から積み重ねている健康的な生活習慣を信じ、じっとしていようと思う。症状が落ち着いてきたら、家の中で軽い運動を始めるだろう。  そして全快すれば、またスポーツジムで運動して、気持ちのいい汗をかくだけさ。  運動は尊い。
文/佐藤嘉洋
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