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甲子園交流試合。野球ライターが選ぶ“注目選手と通なプレーヤー”

柳田や糸井になれるスーパー外野手と完成度の高い即戦力W右腕

 野球専門誌やネットでのスポーツ記事を執筆する松本重樹氏にも話を聞いた。 「ドラフト候補の選手でいえば、第5日目の第1試合に登場する明石商の1番打者・来田涼斗の実力が群を抜いていると思います。1年夏から昨夏まで3季連続で甲子園に出場し、落ち着きもありますし、同大会での活躍やインパクト次第では複数球団の1位指名もありえると思います。タイプとしては糸井選手や柳田選手のようにパンチ力のある野性味あふれる選手ですね」
 投手でドラフト候補は、来田と同じ明石商のエースで151キロのストレートを投げる右腕・中森俊介ですね。下半身がしっかりしているのでコントロールが乱れない。マウンド度胸もプロ向きですね。もう一人は、第3日目の第1試合で智弁学園と対戦する中京大中京のエース・高橋宏斗でしょう。すべての変化球のレベルが高く、ストレートの伸びもスゴいんです。1年目からプロで登板できる可能性を秘めた投手なので、ぜひ甲子園の躍動を見てほしい!」

知る人ぞ知るドラフト候補は北のスピードスター

 “知る人ぞ知る”注目選手は、北海道・白樺学園のスピードスター・川波瑛平ですかね。打撃の技術もメキメキと成長している選手ですが、特徴はその脚力。プロでも周東(ソフトバンク)や近本(阪神)に匹敵するような走力とベースランニングの技術を持つ将来性のある選手です。白樺学園が登場するのは第6日目第3試合のラストゲームですが、見逃さないようにしてほしいですね」  最後に筆者が注目している高校を紹介しよう。それは第5日目第2試合に登場する、21世紀枠の帯広農業だ。広大な農地と酪農施設に囲まれた農業高校で、マンガ『銀の匙 Silver Spoon』や広瀬すずが主演を務めたNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』のモデル校になったことでも有名だ。冬場に雪が積もるなかでもノックを繰り返してきた固い守備力と粘り強い打線、全力疾走は要注目だ。  スタンド応援で『なつぞら』の劇中でも流れた「日本農業高校クラブの歌」を大合唱するのが特徴的だったが“全試合原則無観客”とされており、それを聞けないのが唯一の心残りだ。  前述したように同大会は無観客試合となるが、青春のすべてを白球に賭ける球児たちの熱戦をテレビやネット、ラジオなどでぜひとも観戦してほしい! 彼らのプレーがコロナ禍の鬱屈した思いを晴らしてくれるはずだ――。<取材・文/木田トウセイ>
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。
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