「ストリートファイターV」の達人に聞く“プロゲーマー正社員”のリアルな日常
あくまでもチームや選手としての価値をトータルで上げていくという会社の方針らしく、現在は大会以外の活動なども含めて大切にしているそうだが、やはり気になるのは“プロゲーマー正社員”としての暮らしぶりだ。
「コロナ前は2週間に1回ペースで週末は海外大会で、日本にいる間は基本的に練習です。真夜中じゃないと対戦できない人がいたり、昼間に集まる対戦会があったりするので、生活リズムは不規則ですね。最初は(プロゲーマー正社員として)1日をどう使ったらいいのかわからず、オーナーと話し合うこともありました。
学校を卒業してから今のチームに移るまでゲーセンでバイトはしてきましたが、会社員経験もないので。しかも、今年は新型コロナでオフラインの海外大会も全てなくなって、けっこう途方に暮れていましたね。逆に最近は自分から動ければ業界の中でも目立てるチャンスだと考えて、動画の生配信や投稿に力を入れています」
もともと『ストリートファイター』のプロゲーマーの動き方はゴルフやテニスの選手に近く、ツアーで世界各地を周りながら、大会ごとにポイントを稼ぎ、上位32名が年末の世界大会で競う仕組み。
久保氏は一昨年と昨年と年間20回ほど、試合のためにアメリカやヨーロッパなど海外を飛び回り、遠い場合はブラジルの大会に出場することもあったという。必然的に1回の大会出場で20万~30万円かかることも珍しくない。
「僕は出張費を出してもらっていますが、遠征費も考えると大会の賞金だけで生活する日本人選手は今のところ数少ないですね。カナダに住むプロゲーマーの友人は、毎週バーなどで小さい大会があるそうで、参加費から何%か優勝者が貰うような形で小遣い稼ぎをしていますが。それが可能なら、もう少し幅広くいろんな人にチャンスがあるんですけど、日本の法律だとそれも賭博になるので難しいんです」
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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