仕事

コロナ感染者に対する職場の空気感「立場の違いで態度がコロコロと…」

親会社の社員に感染者が出た途端、態度が一変

除菌 福岡県在住の自動車工場勤務・江口利仁さん(仮名・30代)の例。 「親会社と子会社、孫会社の社員が同じ工場内で働いているため、常に序列を気にしておかなければなりません。ちなみに私は子会社の社員ですが、同僚から感染者が出たのは6月頃。感染した社員は親会社の担当者に電話でボロクソに言われ、辞職願いを書けと言われていました。  工場内から感染者が出たことになれば、親会社の責任者にもなんらかの処分が下されるから、なんて噂でした」(江口さん、以下同)  子会社の社員は結局退職に追い込まれたものの、特に報道で会社名が出ることはなかった。辞めた子会社の社員はなんだったのか……そんな疑問が工場内で噴出していたところで、第2の事件が勃発する。 「今度は孫会社のパートさんから感染者が出たんです。すると今度は、うちの会社の社員が、孫会社の担当者を責めました。本人的には親会社への説明責任などもあり、相当追い込まれていたようなのですが……。その様子を見ていた同僚が、それはいくらなんでもひどいと指摘し、つかみ合いになったんです」  子会社と孫会社から感染者が出た親会社の社内では、もっと管理体制を厳しくすべき、などという声も上がり始めていたというが、ここで起きたのは第3の事件。  今度はなんと、親会社の部長クラスに、複数の感染者が出たのである。 「親会社の社員に感染者が出た途端、工場内には“感染者への差別をヤメよう”などの張り紙が出されて、呆れるしかなかったです。普段は、仕事に子会社も親会社もない、みんなで頑張ろう! などと言っているくせに、ものすごい差別意識が丸出し。仕事への情熱が一気に冷めたという仲間が大勢います」  わずか数か月前とはフェーズが変わり、同じ会社、友達、家族にいつ感染者が出てもおかしくないという状況だ。身近から感染者が出た場合にはどうするか、むしろ自分自身が感染者になったらどうするか、今こそ真面目に考えるべきなのかもしれない。<取材・文/森原ドンタコス>
1
2
おすすめ記事