小学校で授業が再開。夏休みの宿題「絵日記」をめぐり、ひと悶着も…
「自粛してない」のツッコミも…
「毎年毎年、高級レストランに行った、海外旅行に行った、と子どもに“嘘”の絵日記を書かせる親御さんがいらっしゃるのですが……」
関東地方の私立小学校教諭・西本香苗さん(仮名・30代)のクラスに在籍するA子ちゃんは、毎年夏休みの絵日記に、にわかには信じがたいことばかり書き、同級生を驚かせていたという。ハワイに行った、フランスに行った、豪華客船でクルーズに行ったなど……本人に聞けば言いにくそうに認めるものの、西本さんは真実を知っていた。
「親御さんが見栄っ張りで、お子さんに嘘を書かせるのです。旅行に行って美味しいものを食べた、というお子さんの絵日記を他の親御さんに褒められたことがきっかけで、そこからエスカレートしたらしいと他の先生から聞きました」(西本さん、以下同)
今年の夏休みはわずか2週間ほどだったが、A子ちゃんが提出した絵日記は、想像通りのてんこ盛りだった。だが……。
「今年は東京で買い物をしたり、オーストラリアにも行った、という絵日記で、他の生徒から『自粛していない』とツッコミが。さらに詳しい子がいて『海外旅行にはいけないはず』との指摘が入りました。かわいそうに、A子ちゃんは行ったと言い張るしかなく、嘘つき呼ばわりされてしまい……。A子ちゃんのお親御さんに電話すると絶句していましたね」(西本さん)
「当たり前」のことができなくなってしまったコロナ禍ならではの出来事ではあるが、何もトラブルだけが起きているのではない。千葉県内の小学校教諭・細川裕太郎さん(仮名・20代)の話。
「夏休み、どこにも行けなかった子がほとんどでしたが、工夫を凝らして面白おかしく自粛期間を描く子が多く、いつもと違う日常を子どもたちなりに強く生き抜いていたことがよくわかりました。特に家庭事情を絵日記にしてくる子が目立った印象です。子どもたちにとって、改めて家族を観察する、分析するということが楽しかったようです」(細川さん)
逆境でも怒らず腐らず、状況に応じて強く生きる。絵日記を巡る小さなエピソードではあるが、我々大人がなかなか気づかないことを、子どもたちが教えてくれているのだ。<取材・文/森原ドンタコス>
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