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筒美京平は“ディスコ歌謡曲の父”だった 「シンデレラ・ハネムーン」は最高傑作

筒美京平が最初に作曲したディスコソングは?

 ディスコミュージックの流行は非常に特異だった。あっという間に世界の音楽界を飲み込んで、一色に染めてしまった。記録破りのヒットが連発された。ローリング・ストーンズ、KISS、ロッド・スチュワートなど畑違いのロックミュージシャンもこぞってディスコアレンジの曲を発表し大ヒットを飛ばした。  そんなロックからのディスコソングへのアプローチを歌謡曲に仕上げたのが、桑名正博の「セクシャルバイオレットNO.1」近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」である。マッチが各新人賞を獲得することになったヒット曲は、ディスコ歌謡曲であった。  筒美京平の最初に作曲したディスコソングで浅野ゆう子が歌ってヒットした「セクシー・バス・ストップ」は、ディスコソングの最初のヒット曲と言われるヴァン・マッコイの『The Hustle』からわずか1年で発表されている。日本の歌謡界はかつては、世界の流行と足並みを揃えていた。  現在は他の分野同様、音楽界もガラパゴス化が顕著だ。ますますシンガーソングライターばかりになり、オルタナティブかアイドルしか見当たらない。歌謡曲と呼べるものはなく、日本人はみんなで口ずさむことのできる歌を失ってしまった。
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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