ライフ

渋谷ハロウィン、暴徒は深夜にやってくる。専門家が危惧

若者だけじゃない? キャバクラに「おじさん」が集まる可能性も

ハロウィン「GoToトラベルやGoToイートを利用して、『ハロウィン目的じゃなく、たまたま渋谷を仮装で訪れただけ』と言い訳ができますよね。センター街やスクランブル交差点を仮装して歩いていても、GoToで飲食店を支援していると言えますから。マスコミのインタビューを受けたくて出歩く目立ちたがりもいるでしょう。メディアにとっても仮装者が来てくれた方がオイシイですしね」  今年は2018年以上の事件が起こるかもしれないと危惧する岡本氏。ハロウィン当日は人が集まりやすい土曜日にあたる。 「今はコロナの影響で、土曜日でも例年より人通りが減っています。ハロウィン当日にネットニュースなどで街の映像を見て、『思ったより人少ないじゃん。今からでも行こう』となるかもしれません。休日なので、終電近くの時間帯から人が集まる可能性もあります。昨年は終電までに帰ってほしいとアナウンスがありましたけど、今年は今のところ全くありません。2018年のように警備が緩んだ深夜に車でやってきて、トラブルを起こす可能性は考えられます」  実際に今までも、ハロウィン当日の路上駐車は問題視されていた。爆音で音楽を流す改造車が路肩にずらりと並び、治安の悪さに拍車をかけていたのだ。 「集まらないで」の呼びかけよりも、歩行者天国や一方通行など道路規制を徹底すべきだと主張する岡本氏。渋谷近辺のキャバクラにも「おじさん」たちが集まると予想しているそうだ。 「夜の街の接待を伴うお店では、ハロウィンは稼ぎ時です。休業や自粛で集客ができなかった分、この機会にお店側がイベントを仕掛けてきそうです。ハロウィン用のデザインシールドもキャバ嬢たちによく売れていると聞いています。家族とおうちハロウィンもできないおじさんたちが、キャバ嬢のセクシーな仮装目当てで訪れるだろうと考えられます。また、もともと渋谷のハロウィンに影響を与えていたクラブも、ハロウィンパーティーを開催しそうです。行政は改めて飲食店やクラブなどでのクラスター対策を徹底すべきでしょう」 パーティ 既に渋谷でハロウィンパーティーを告知しているクラブもある。基本的な3密対策やアルコール消毒などの取組みはしているとはいえ、ハロウィン当日ともなれば想定以上の人数が集まる可能性もある。厳しい入場制限などを設けない限り、クラスター発生のリスクも考えられるだろう。

渋谷区は対策を発表

 専門家からの指摘に対し、渋谷区は実際にどのような対策を考えているのだろうか? 筆者が渋谷区の広報課に問い合わせを行ったところ、以下のような回答が返ってきた。 「ハロウィン当日は例年と同じように警備員を配置し、街中で立ち止まらないようにアナウンスを行う予定です。例年より集まる人数は少ないと予想していますが、仮装をして立ち止まって自撮りをする人などは出てくると考えています。飲食店等への感染防止指導も、今まで通り行っていく予定です」(渋谷区広報課)  渋谷区の長谷部健区長は10月22日に会見を開き、ハロウィン当日に警備員約100人の動員や区職員の見回りなどを発表。改めて「集まらないハロウィーン」を呼びかけた。  対策費は、昨年の半分ほどに縮小するとか。交通規制など警視庁の動向は未だ発表されていないが、何らかの対策は取られる見込みだ。  とはいえ、蓋を開けてみないと分からない今年のハロウィン。「渋谷に来ないで」は効果を発揮するのだろうか。<取材・文/倉本菜生>
福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0
1
2
おすすめ記事