仕事

Uber Eats配達員同士がエレベーターで鉢合わせに。何を話すの?

エレベーターで他の配達員と鉢合わせに

小林ていじ

所持金3万円、「Uber Eats」の配達で旅費を稼ぎながら東京から沖縄まで自転車で旅する筆者・小林ていじ

 22日目。この日も午前9時とほぼ同時に最初の配達リクエストが入る。商品の配達先は青空に向かって高くそびえ、遠くからでもその存在をはっきりと主張する高層タワーマンションである。が、その入り口は非常にわかりづらく、マンションの前に着いてからエントランスをくぐるまでに少し時間がかかってしまった。  ドアの閉まりかけていたエレベーターに飛び込むと、そこでウーバーのバッグを背負った他の配達員と鉢合わせになった。目が合うとお互いに会釈し、どちらからともなく会話になる。 「このマンションに来るのはじめてだけど、入り口が本当にわかりづらいよな」 「ホント、ホント。入り口をもっとわかりやすくしとけって話ですよね」 「俺なんてこのマンションのまわりを2周もしたよ」  上に向かうエレベーターの中でそんなことを話しながら笑い合う。いかにも気のいい名古屋のおっちゃんという感じである。  僕の配達先の部屋があるフロアでエレベーターが止まった。おっちゃんの配達先のフロアはさらに上の階なので、彼とはそこで別れた。 「それじゃ、僕はここで」 「お疲れさん」  配達先の部屋のインターホンを押してお客さんに商品を手渡す。そしてエレベーターの前に戻り、下のボタンを押した。少ししてドアが開くと、そこに立っていたのはさっきのおっちゃんだった。 「おう、お帰り!」  そう言って笑顔で僕を出迎えてくれる。ウーバーの配達をしていて他の配達員と絡むことはほとんどないのだが、たまにあるこのような交流はちょっと嬉しかった。
メイドカフェ

大須商店街にはメイドカフェも多い

しゃちほこ

商店街の中にも金のしゃちほこが

名古屋はやっぱりあまり鳴らない?

 しかし、この日、調子が良かったのは午前中までで、午後からはあまりリクエストが入らなくなってしまった。夕方頃まで稼働したのだが、結局、この日は前日の半分も稼ぐことができなかった。  ここに来て思い出すのはゲストハウスの主人の「名古屋はあまり鳴らない(※配達リクエストが入らない)ですよ」という言葉である。そこそこ稼げる日もあるのだが、基本的には彼の言うとおりなのかもしれない。名古屋にもあまり長居はしないほうがいいのかもしれない。それでも、僕はゲストハウスの宿泊をさらに4泊延長した。  僕は登録都市を東京から名古屋に変更していた。そうすると、この名古屋での配達にプロモーション(通常報酬にプラスされるボーナスのようなもの)が付与されるようになる。それには登録都市を変更してから約2週間もかかるらしいのだが、もうじきその2週間が経とうとしていたのである。 【21日目】 <支出> 食費:1035円 パンク修理:1300円 合計:2335円 <収入> 7340円 残金:8645円 【22日目】 <支出> 食費:1040円 宿泊費4泊分:4396円 合計:5436円 <収入> 3223円 残金:6432円 <取材・文/小林ていじ>
バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。
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