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イヤでもお金が貯まる「仕組み」実例集【その17】

お金を出ていかせない”思想”を持つことが、最良の仕組み  ドラマ『エンゼルバンク』に登場するカリスマ転職代理人のモデルとして各メディアで活躍中の海老原嗣生氏。世の本質をズバリと突く語り口に定評のある氏が考える、「お金が貯まる仕組み」とは? 「僕、実は学生の頃から割と稼いでいたんですよ。一番儲かったのは、治験バイトのコーディネーター業。学生を集めて病院に紹介するんです。1回セミナーを開けば10万円ぐらい稼げたかな(笑)。そんなわけで、若い頃から人材紹介を生業にしてました。もう一つ変わらないのが、当時から無理なカネの使い方はしなかったこと」  若き日の海老原氏が影響を受けた人物に、「金儲けの神様」と呼ばれた台湾の実業家・邱永漢氏がいる。その邱氏いわく「お金とは、放っておくと人から離れていく性格のものである」。ゆえに、お金が出ていかないようにちょっと気をつけるだけで、少しずつお金は増えていく――と。 「それを『節約』とはあまり呼びたくないんです。節約って言うと、なにかカリカリ頑張ってる感じがするじゃない。そうではなくて、お金が出ていかないような心の持ち方を知る……というのかな。それはつまり、『他人の基準に合わせない』ことだと思うんですよ」  他人の基準に合わせるとお金が出ていってしまう――とはどういうことなのだろうか。 「例えば、僕は三ツ星とかA級グルメを崇めたりしません。逆に、吉野家の牛丼だって、ビッグマックだって、今でもおいしいと思う。なのに、世の中の人って、ブランドとか値段で『味』まで決めちゃうでしょう。マックは安いからダメで、子供の食べ物だ、みたいな。しかも、そういう基準ってほとんど根拠がなくてころころ変わります。かつては貧乏人の栄養源だったくじらベーコンが今では高級食材で『グルメ』ですからね。そんな、世間一般の基準なんかには乗っからない――という信念を持つことが、邱さん言うところの『お金が出ていかないようにするための努力』だと思うんです。自分の基準で、『おいしい』とか『好き』を探すんだという信念――それ自体が、『お金を引き留めるための仕組み』になるわけですよね」  貯蓄とは思想なり、なのだ。 ●海老原嗣生氏 人事・雇用のスペシャリストとして多方面で活躍する「カリスマ転職代理人」。 著書に『学歴の耐えられない軽さ』(朝日新聞出版)ほか 取材・文/江沢 洋 加藤カジカ 山脇麻生 藤田美菜子(本誌)





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