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GoToトラベル停止の思わぬ余波。「家に帰りたくない」お父さんの嘆き

「GoToトラベル」が一時停止に

 普通の家庭なら、そんな理由で帰宅しないなどあり得ない、とも思えるが、坂田家の安寧のためにはむしろ好都合だった。  妻とはSNSで最低限のやり取りしかせず、顔を合わせないため、喧嘩なども起こり得ない、というのである。しかし、快適な「家出生活」を過ごしていた12月中旬、政府は「Go Toトラベル」一時停止の決断を下す。 「割引もクーポンもなしで1日4000円は無理です。というわけで、クリスマスに泣く泣く家に帰ったのですが、明らかに妻も私がいないほうがよかったという雰囲気でした」  というわけで、クリスマス以降はビジネスホテルではなく、近くの漫画喫茶に。ちょうど仕事も休みになり、狭いブースで日がな一日、漫画をみたりネットをしたり……。薄暗く狭い空間に何日もいて、気がついたら年が明けていたと話す。

緊急事態宣言で絶体絶命!?

漫画喫茶「漫画喫茶は一泊プランとフリータイムプランを併用しても、やはり3000円近くかかりますから、いかにGo Toがありがたかったか。そういえば、漫画喫茶の共有スペースで、おそらく私と同じくらいの中年男性数人を毎日みましてね(笑)。店員さんもGoTo以降、ホテルから漫画喫茶に来た家出客が増えたといっていました」  坂田さんと同様の事情なのかどうなのか定かではないが、自宅で過ごす時間の増加と共に、家族不仲になったという話は枚挙にいとまがない。GoToが身寄りのないお父さんたちの「家出」に使われていた可能性も少なくないのである。  そんななか先日、坂田さんに追い討ちをかける出来事が……。1月7日、緊急事態宣言の再発令によって「Go To トラベル」停止期間は2月7日まで延長された。彼らにとって見れば、この措置は痛すぎるのかも知れない。<取材・文/森原ドンタコス>
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