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コロナ禍で心がすさんだら…蛭子能収の生き様を見習おう

漫画家・根本敬が明かす蛭子さんの特異な人間性

 昨年は有名人の自死が連続した。しかもきらびやかな大スターばかりだった。私は理解に苦しんだ。それに対して俳優の木下ほうかが、2020年10月9日の「yomiDr.(ヨミドクター)」のインタビューで「僕たちの仕事は不確かですから、不安なんですよ、みんな。端から見ると、何が不足なんだって思えるような、うまくいっている人ほど絶望するんですよね。必ずしも、落ちぶれて死ぬんじゃない。いい時に死んでしまうというのは、すごくわかります」と答えていた。それで全てを納得できたわけではなかったが、スターたちの「自死」について、それが1番うなずけた説明だった。
因果鉄道の旅―根本敬の人間紀行

因果鉄道の旅―根本敬の人間紀行 (ベストセラーズ )

 蛭子能収の徹底した「現実が神」という特異な人間性を世の中に知らしめたのは、蛭子さんの盟友、漫画家の根本敬だろう(あと、蛭子さんはお葬式に出ると必ず笑ってしまうこととか)。今や日本のサブカルの「教典」(笑)と言っていい、根本敬の著書「因果鉄道の旅」で、根本敬は蛭子能収をこう評している。 「我々人間は自我、自意識、理想、プライド、それから発生するところの見栄やうぬぼれや理念やら思想やら主義やらドグマやらてらい等々が手枷足枷となり、自分が本当に欲しているものが何なのか、わからなくなっちゃう事はよくある」しかし「自我も自意識も、理想もプライドも、蛭子さんが世の中を渡っていく上で、全然必要のない代物」であるから、蛭子さんは「本能が天の指示に基づいて絶妙の加減で解放されている」

いつも心に「アマビエ様」と「蛭子さん」を

 スターたちの自死は、社会が停滞する現在の状況は、人が「考え事の流砂」に飲み込まれがちな状態にいることを示唆しているように思う。そんな時は蛭子さんを思い出したい。人生は楽しむためにある。蛭子さんを見るとそんな当たり前のことも思い出せる。何より、深刻になるのが馬鹿らしくなる。「アマビエ様」と共に「蛭子さん」を、コロナを乗り切るための守り神として、勝手に認定したいと思った。
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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