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「マスクしろブス女」ウイルスよりもタチの悪い“ネット版自粛警察”の猛威

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で疑心暗鬼になる人が増えるなか、自粛警察マスク警察をはじめ、日常生活のあらゆるシーンに「警察」が登場した。“他人の揚げ足を取る”と言えば、兼ねてよりその存在が指摘されていたのがネット上だ。

SNSの投稿にケチがつく「マスクしろブス女」

マスク

※写真はイメージです(以下同)

 東京都内在住のアリサさん(仮名)は、雑誌やWebなどで活動するモデルだ。インスタグラムのタイムラインは、撮影現場の一コマや、美貌を誇る友人たちとの食事中の様子など、“インスタ映え”する投稿で埋め尽くされている。だが、最近はこうした投稿にケチをつけてくる人が多いのだとか。 「スタジオ撮影の様子をアップしたところ、マスクしろブス女、みたいに書き込まれたんです。撮影前には検温もするし、もちろん、カメラマンさんやスタイリストさんもきちんとマスクをつけている。撮影の時だけマスクを外すんです。マスクをしたままの写真は雑誌に載せられませんから」(アリサさん)  ほかにも、あらゆる投稿に対して外出するな、不要不急だ、などのコメントが付けられたという。新型コロナウイルスの感染拡大とともに、全国各地に出没している「マスク警察」や「自粛警察」についてはテレビや新聞、週刊誌、ネットニュースなどでも取り上げられているが、最近ではその兆候が「コメント欄」にも及んできたというのだ。

ネット版「自粛警察」が牙をむく

「好きなテーマパークが時短営業になるということで、その前に遊びに行ったんです。その様子を動画や写真でSNSにアップしたところ、変なコメントがつけられました。いたたまれなくなって言い返したら、ほかにも私を攻撃する人が次々と現れて。パニックになりました」  アリサさんはコメントを非表示にさせるなどして対応したが、しつこく「自粛しろ」とDM(ダイレクトメール)を送ってくるユーザーも後を絶たない。相手のアカウントをブロックするなどしていたが、もはやSNSを続けることに疲れてしまったとか。
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有効策はSNSをやめるしかない?
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新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。

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