我先にワクチンを求める人たちを狙った悪質な“詐欺電話”が発生
新型コロナウイルスに怯える日々も、やっと終わりが見えてきたのか。厚生労働省は、ファイザー社とビオンテック社が開発したワクチンを特例承認した。そして、いよいよ医療従事者から先行接種が開始する。
「少し前に『おたくで闇ワクチン扱ってないか?』という問い合わせがありました」
こう話すのは東京都内のクリニック院長・延山敦さん(仮名・60代)。そんなものはないと断れば、「カネはいくらでも出す」などと返してくるから困ってしまうという。
「(闇ワクチンの)報道を見て問い合わせしているのだろうと。そんなワクチン、危なっかしくて、まともな医師なら触りたくもないのに」(延山さん)
問い合わせてきたのは中高年だったとか。
「体調が悪いのか? コロナの疑いがあるのか? と聞くんですが、みなさんお元気そう。ワクチン接種のスケジュールが見えてきて、我先にと必死になられているのでしょうが、ぜひ冷静になっていただきたい」(同)
都内の総合商社幹部、金井裕一さん(仮名・50代)のもとにも久々に連絡をよこしてきた知人から、ワクチンについて聞かれるという。
「私は、コロナ前までは1年間のほとんどを中国で過ごしていたんです。会社では雑貨を扱っており、その製造工場が中国国内にいくつもあるもんですから、各地を転々とする感じで。そんな僕に『ワクチンないの?』という電話がかかってくるようになったのは、昨年末頃からですね」(金井さん、以下同)
中国ではひと足先にワクチンの接種が始まっているが、金井さんの会社では医療関係の商品など扱っておらず、当初は冗談だと思っていたが「意外と本気で驚いた」という。
その後、高齢者や基礎疾患がある人などへ対象が拡大される見込みという。
一方、きな臭いニュースもある。大手新聞社の一面で報じられた「闇ワクチン」の存在。中国の製薬会社が製造したワクチン(※日本では未承認)が、日本国内に持ち込まれているというのだ。テレビでも闇ワクチン接種の勧誘を受けたという男性への取材が放送された。ネット上では懐疑的な声が出ているが……。
“闇ワクチン”を求める人も…
「意外と本気で驚いた」
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新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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