仕事

コロナ失業の元キャバ嬢が見出した活路「最初は時給換算で50円くらい」

新型コロナウイルスの猛威、不安が募る…

ぴなこ「昨年3月頃からコロナの感染者が増え始めて。私も出勤を控えていたのですが、お客さんから『大丈夫?』って心配の連絡がたくさん届いて。このまま働き続けることが怖くなってしまったんです」  みるみるうちに世の中では感染者が増え、夜の街に対する風当たりも強くなっていく。彼女は、自分にとって“夢の職業”でもあったキャバ嬢を辞める決意をした。  とはいえ、夜職以外の経験はなく、就職のあてもなかった。今後どうすればいいのか。 「当然、収入は無くなってしまいました。先行きがまったく見えず、正直、持続化給付金も何それって感じだったので」

ライブ配信に挑戦してみるが「ぜんぜん稼げなかった」

 そして、2020年4月7日に緊急事態宣言が発出された。コロナをきっかけに失業した多くのキャバ嬢たちが向かった先。そのひとつが、「ライブ配信」である。自宅から日常生活や雑談などを配信し、リスナーからの課金アイテムなどでお金を稼ぐことも可能なのだ。  4月11日、ぴなこさんは「とにかく行動しなければ」と、唯一知っていたライブ配信アプリ「Pococha(ポコチャ)」を始めてみることにした。ライバー(ライブ配信者)として、新たなスタートを切った形だ。しかし、そう簡単にはいかなかった。 「ぜんぜん稼げなかったですね。視聴者ゼロで。用語の意味も理解できなくて、右も左もわからない状態。だれかひとり見に来てくれても『こんにちは!』って挨拶したら、すぐにどこかへ行っちゃうみたいな」  ライブ配信には多くの水商売関係者が参入していたが、そのほとんどが人知れず姿を消してしまった。だが、ぴなこさんは諦めなかった。“継続すること”の大切さを知っていたからだ。
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うまくいかなくても“継続すること”の大切さ
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi

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