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コロナ慣れ? コンビニやタクシーで増えつつある“ノーマスク”の客

タクシーに乗り込んだ瞬間、マスクを外してしまう人も

タクシー 東京都内のタクシー運転手・吉野誠さん(仮名・50代)も、ノーマスクの客に翻弄されている。 「タクシーに乗り込んだ瞬間、なぜかマスクを取られるんです。『あー、楽になった』って。ただ、マスクを着けてくれなんて言いにくいでしょう。一応、マスク着用のお願いのステッカーを貼っているんですけどね。『運転手さんもマスクなんかきついでしょ』なんて。私は感染したくないので、作り笑顔ですけど毎回ヒヤヒヤです」(吉野さん)  タクシーのような密室空間も怖いが、美容室やマッサージ店など、さらに近い距離感でサービスを提供しなければならないところにマスクなしの客が来たら、彼らのストレスは溜まる一方だ。

客のマスク未着用についてはグレーな状態

 同じく都内の美容師・中本さやかさん(仮名・30代)が最近悩んでいるのはノーマスクの客への対応である。 「店長からお客さんにはマスクを着けてもらうように指導されており、カット中も基本的にはマスクを着けてもらいます。しかし、お客さんによっては息苦しいと外されます。決まりなので、と告げても不機嫌な態度をとられて無視されてしまうこともあります。  その一方で、絶対にマスクを着けていたいというお客さんも当然います。マスクなしを許してしまうと、そういう方が不安になって今後来れなくなってしまいます。店長に相談していますが、悩んでいるようです」(中本さん)  結局、客のマスク未着用については今もグレーな状態が続いており、相手の要望を受け入れるままになっているという。  自分は感染しているはずがないから大丈夫、ではない。マスクはすでに「周囲への配慮」なのだ。  公の場でマスクを着けないということは、相手を危険に晒して精神的にも苦痛を与えているのである。それを「大丈夫」というのは、傲慢さに他ならない。<取材・文/森原ドンタコス>
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