更新日:2021年03月09日 16:21
エンタメ

聖火ランナー辞退の芸能人にモヤっとする 逆にノリノリのロッチ中岡は清々しい

オリラジ藤森、ロッチ中岡の反応が健全に見える


 一方で、辞退を表明したタレントに呼応するように、聖火ランナーに前向きな姿勢を表明するタレントが現れた。オリエンタルラジオの藤森慎吾は、自身のTwitterで「藤森、地元長野で聖火ランナーやらせていただきます 五輪のランナーって普通に考えて光栄です。あと、美代子(母)さんと94歳のおばあちゃんが喜んでくれそうなので、走ります!!」、「諏訪市の田んぼ道を走れるといいな!密は避けましょう。ネットで見て!」と宣言した。それに対しネット民から称賛の声が上がった。  ロッチの中岡創一は「聖火ランナーの空いた枠に、ロッチ中岡はいかがですか?(略)中岡仕上がってます!!」とツイートし、棒のようなものを持って走る、“全く仕上がっていない”動画を投稿し、この一件を混ぜっ返した。こちらもネット民の笑いをゲットし、ナイスなツイートとなった。

 こうなってくると「東京オリンピック」は、日本国民にとって雑談を盛り上げるちょうどいいおもちゃでしかないように思えてくる。ロッチ中岡の反応が、市民の東京オリンピックに対する距離感に最も近いのではないだろうか。そしてそのくらいの反応が最も健全に思える。感染症の流行とオリンピック開催が重なってしまうなんて、もう笑うしかないもんね。

思い出す、郷ひろみのある騒動

 今回のタレントの聖火ランナー辞退で、私は、郷ひろみの『ザ・ベストテン』の出演拒否を思い出した。1982年、郷ひろみが「ベストテン入りしたからいい曲、ベストテンに入らなかったからダメみたいに順位付けされるのは本意ではない」として、突然ランキング番組の出演を拒否した。当時は中島みゆきや松山千春などの、新進のシンガーソングライターたちが、こぞってランキング番組の出演を拒否していた。その中で郷ひろみの出演拒否は、流行のイデオロギーに乗っかった、ちょっと格好悪い例として、私には記憶されている。
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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