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コロナ禍の秋葉原、時代によって次々と姿を変貌させる街の未来とは

昨年、秋葉原の名物店のひとつだったキッチンジローがコロナ禍のあおりを受けて閉店。跡地が「コンカフェ無料案内所」なるものに様変わりした。これに象徴されるように、今、昔ながらの飲食店やオタク向け小売店が消えてコンカフェが秋葉原を席巻している。3度目の緊急事態宣言に入り混迷の状況だが、時代によって次々と姿を変貌させるアキバに迫る!

“変化する街・アキバ”を大人も楽しめるコンカフェが席巻中!?

秋葉原

キッチンジロー跡地に出現したアキバ総合案内所。紹介しているお店は過激店が多い

 昨年9月、コロナ禍で秋葉原の老舗洋食店「キッチンジロー」が閉店。その3か月後、跡地に繁華街でよく見る「案内所」が出現し、大きな話題となった。 「ついにアキバに風俗案内所ができたかと悲嘆する声もありましたが、蓋を開けてみればコンカフェ案内所。まさに今、秋葉原にコンカフェ全盛期が到来してます」  そう語るのは、秋葉原の地域情報誌『1UP』で編集長を務めた佐藤星生氏だ。 「最近はバニーガールなど露出の高い店のほか、飲み放題が300円の激安店も増加。また、他業種の会社がコンカフェを開店するなど、競争が激化しています」

オタクの聖地はここ30年でどのように変遷してきた?

 オタクの聖地はここ30年でどのように変遷してきたのか。街の事情に詳しいしげの氏は語る。 「’90年代までは電子工作やオーディオが盛んでしたが、Windows95が発売され、電気街はパソコン機器が主体となり、“電脳の街”と呼ばれるように。’00年代にはメイド喫茶が流行し、オタクと美女の純愛を描いた作品『電車男』もヒット。世間からの注目が集まるなか“会いに行けるアイドル”AKB48が誕生。サブカルの街として定着し始めていましたが、無差別殺傷事件が起こり、歩行者天国が休止に。一時は活気を失いました」  その後、’10年代前半にピークを迎えるのが、アイドル文化だ。 「AKBがブレイクしたことで、一般層もアキバの地下アイドルを認知。なかでも、アキバ的要素を色濃く反映したでんぱ組.incは海外からも注目される存在に。さらに、オタクに馴染みやすい世界観とコンテンツ性をもつコンカフェ店が急増しました」(しげの氏)
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上野や神田に流れていた会社員が秋葉原で飲むように
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