更新日:2021年05月26日 16:41
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娘から「死にたいのか?」と言われても…ワクチンを打ちたくない人たちの理由

娘からは「死にたいのか?」

マスク「ワクチンへの不安を煽った後は、ワクチン接種できない人を焦らせていませんか? 高齢で体も弱いから、コロナに感染したくないという気持ちは強い。今はあくまでも様子見のつもりでした」  古田さんはこうした経緯から、ワクチン接種を見送ることを家族に相談。すると返ってきたのは、驚くべき反応だった。 「まず娘から、死にたいのかと怒られまして……。仕事を手伝ってくれていた息子も、親父がワクチンを受けないのなら一緒に仕事はできないと、突き放されました。仕方がないので私は会社に行かず、一人自宅にいるばかり」  娘はその後も「接種して」と何度も連絡をよこしてきたが、それでも断ると、今度は古田さんを“ボケ老人”扱いし始めたという。 「ネットで変な噂を読んだんじゃないかとか、いろいろなことを言われました。でももう、何を言っても分かってくれませんから、ひっそりとコロナ禍が収束するのを待つしかないという心境です」

ワクチン接種は強制ではない

 厚生労働省のホームページ内「新型コロナワクチンQ&A」には、「接種は強制ではなく、あくまでご本人の意思に基づき接種を受けていただくものです」と示されている。また、職場における対応についても次のように明記されており、困った際の相談窓口も案内されている。 <職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをすることのないよう、皆さまにお願いしています。仮にお勤めの会社等で接種を求められても、ご本人が望まない場合には、接種しないことを選択することができます>  ワクチンがなければ騒ぎ、ワクチンが届いても騒ぐ。せっかくコロナ禍収束に向けての、かなり現実的なロードマップが見えてきたというのに、人々の分断は深まるばかり。  新型コロナウイルスの脅威がなくなったとしても、この様子では明るい近未来の到来は期待できないと思う他ない。 <取材・文/森原ドンタコス>
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