緊急事態宣言下でも授業や出社が再開。「完全にチキンレース」の現場
東京や大阪などの大都市に続き、新型コロナウイルス感染者数の増加を受けて、沖縄県も緊急事態宣言を発令。全国の感染者数は微増か横ばいではあるものの「まん延防止等重点措置」の適用地域も拡大し、コロナ収束の兆しは一向に見えてこない。
関東在住の私立大学3年生・藤岡絵理奈さん(仮名・21歳)が不満をぶちまける。
「ずっと自宅学習、リモート授業だったんですが、4月の終わり頃から対面授業が再開されました。ところが、行ってみると、来ているのは生徒だけ。先生だけはリモートで、プロジェクターに映し出されたスクリーンの中で授業してるんです」(藤岡さん、以下同)
教室には、対面授業の再開を喜ぶ生徒がたくさんいたが、換気もされておらず、友人との久々の再会を喜ぶ一部の生徒たちがおしゃべりに没頭。当然、「密」状態はあちこちで起きている。藤岡さんは、気が気ではない日々を送っているという。
「本当は、4月の頭には授業開始と言われていたから電車の通学定期券も買ったんですけど、5月スタートに延びて1か月ぶんがムダになりました。大学の職員や担当教授に相談してもわからない、知らないばっかり」
一人暮らしの生徒のなかには、バイトもできず家賃も支払えないため、実家に一時帰宅しているパターンもあったと話す。授業再開に合わせて地元から再度上京してきた知人は、学校に翻弄されて鬱状態に陥ったとも言う。
結局、なぜ通常授業が再開されたのか、未だに学校側から詳しい説明はない。感染者が減った、危険性が減少したなどのエビデンス(根拠)も提示されず、藤岡さんは強い不満を抱いている。
そんななか、これまでは休校だった学校や、リモートワークに移行していた職場にも人が戻りつつあるというが、不満の声も聞こえてくる。現場では何が起きているのか。
学校や職場に人が戻ってきたが…
気が気ではない日々
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