更新日:2021年07月01日 11:17
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「なぜ報じない!」自粛警察の“情報提供”攻勢に悩むテレビ局スタッフ

メディアを痛烈に批判

スマホ それは昼夜を問わず、あまりに多すぎるため、読むことも億劫だったが、星野さんが既読をつけるまで情報提供は続くため、嫌でも反応するしかない。  なかなか大変な人に接触してしまった、と思っていたところ、Sさんが大手新聞の記者を名指しで批判する投稿を繰り返しているのを発見。芸能人の情報提供をしたのに無視された、裏で芸能界とマスコミは繋がっている……などと、記者やメディア批判はその後も止まらない。  そして、緊急事態宣言中に営業する店や、他県ナンバーの車両、公園でマスクなしで遊ぶ子どもたちの盗撮映像などを、星野さんの元に送りつけてくる。 「いわゆる自粛警察ですよ、それのハード版。盗撮がバレてモメているシーンもあって、もう地獄絵図としか言いようがない。私と同じようなメディア関係者は複数いて、みんな触らぬ神に祟りなしとばかりにスルーしています」

「私がやるしかない」

 筆者もSさんのSNSにダイレクトメッセージを送ってみたが「マスゴミは信じないから電話はできない」とそっけない返答。しかし、そのすぐ後に「私は正義のためにやっている、悪い人がいるから私がやるしかない」と持論を語り始めた。  SNSを活用している記者やメディア関係者は珍しくないが、自粛警察の「情報提供」に悩まされている人も多いのである。  ワクチン接種が進み、いよいよ「アフターコロナ」への期待も高まるなか、ほんのわずかな気の緩み、それが他人の言動なら断じて許さない、そんな独善的な「正義の人」たちの眼光は今も尚、鋭いままなのだ。 <取材・文/森原ドンタコス>
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