仕事

ボーナス代わりに支給されたのは「醤油」…ボーナスもらえない人たちの悲哀

「何に使おうかな」職場の楽しそうな会話にイライラ

お金 田中美羽さん(仮名・30代)は、非常勤スクールカウンセラーとして10年間勤務していた頃のエピソードを教えてくれた。 「1校につき、1週間に1回の勤務ではありましたが、8時間労働でした。なので、当日に面談記録を書かないと忘れてしまうんです。そのため、学年主任や管理職と同じくらい残業もしていました」  田中さんの年間勤務日数と給料は決まっていたため、サービス残業だったという。それなのにボーナスがないなんて……という思いと、ボーナス時期の周りのウキウキした状況には耐えがたい心境だったようだ。 「常勤の教職員からは、『ボーナス嬉しい』『何に使おうかな……』『旅行行こうよ』などの楽しそうな会話が聞こえてきます。私は1円ももらえないので、ボーナスを使って楽しもうという発想すらありません」 「常勤」というだけで、何でも優遇されることに納得がいかない。「非常勤」というだけで何年勤めていてもボーナスがゼロという状況はありえないと、理不尽な扱いに対して怒りを露わにする田中さん。

アルバイトをするしかない

「常勤の方は8月のお給料もありボーナスもあるので、夏休みは待ち遠しいものでしょう。しかし私の場合、8月は完全に勤務もなく、ボーナスもないため単発のバイトをしなくては生活が成り立ちませんでした」  田中さんのようなスクールカウンセラーの仕事は、臨床心理士である。大学院修士修了は必須だ。教員は大学卒でもいいのに、大学院卒でも非常勤というだけで、こんなに差がつけられなくてはならないことに、現在も違和感を抱いている。 「教員は夏のボーナスをもらって楽しい思いをしているのに、なぜ私たち非常勤は夏もアルバイトして稼がなければならないのでしょうか?」  職種や業種によってもボーナス事情は異なる。たとえ同じ職場で働いていても雇用形態によってボーナスの有無に差があることは、なかなか受け入れがたいことなのかもしれない。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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