北関東をドライブ中に“地元ナンバー”の車が急接近。“あおり運転”をストップさせた夫の機転とは?
ニュースなどで頻繁に取り上げられる「あおり運転」。被害者の精神的苦痛は深刻であり、トラウマにもなりかねない。
当時小学生だった青山明さん(仮名・30代)は、母親の運転で、川沿いの狭い堤防道路を走っていた。
「突然母が、『後ろの車変だよね』といいました。振り返ると、黒いセダンがものすごいスピードで近づいてきて、車間距離がどんどん短くなっていたんです」
激しく蛇行運転もしていたという。
「その動きが不自然で、母は怯えた表情でした。私も異様な光景に恐怖を感じていました」
しばらくして、後ろの車は猛スピードで青山さんたちを追い抜き、車の前に出たそうだ。その後、突然蛇行運転をはじめた。
「私は子どもながらに、苛立ちを感じていました」
青山さんがそう思っていた瞬間、予想外の光景を目撃する。
「なんと、その車がバランスを崩してしまって、堤防から転げ落ちるのを見たんです」
青山さんと母親は驚き、すぐに近くの交番に向かった(※当時は携帯電話が一般的ではなかった)。
そして、一部始終を報告したのだが……。
「後日、警察からの報告では、車が落ちたあたりを調べたものの、“転落車両”は見つからなかったということでした。転落したドライバーは、自力で現場から立ち去ったのだろうとの見解だったんです」
しかし、「あの高さから転落したら、車もドライバーも無傷で済むはずがない」と青山さんは不思議に思ったそうだ。
「ドライバーが生きていてよかったと思いますが、人を不快にさせるためにリスクの高い危険運転をした結果、転落したのですから、“救いようのない哀れな人だったな”と呆れましたね」
青山さんは、「自分のためにも他人のためにも、安全運転が大切だ」と学んだという。
自動車損害保険を扱うチューリッヒ保険は『2024年あおり運転実態調査』を実施。あおり運転をされたことがあるドライバーは72.5%であった。2023年の53.5%よりも大幅に上昇し、この半年間でも24.1%と多くのドライバーがあおり運転に遭遇していることがわかった。
今回は、あおり運転に遭いながら、なんとか難を逃れた2人のエピソードを紹介する。
夜の川沿いで遭遇した不気味な車
車が堤防から転落…
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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