更新日:2021年08月11日 18:57
エンタメ

地下アイドルに求められる過酷すぎる条件。下ネタや炎上芸、過激化するグループも

下ネタや炎上芸、パフォーマンスが過激化するグループも

 さなえさん(仮名・18歳)は、まだ10代にしてすでにアイドル歴2年。ユニットのほか、ソロでも活動を行っている。ライブのほか、特典会やチェキ会、オンライン配信など、地道にファンを増やしている。彼女もみかさん同様に、もともと音楽やアイドルに興味があった。また、友達もアイドル活動を行っていたことから自分も「やってみようと思った」という。  かつては街でスカウトされるか、厳しいオーディションに合格しなければアイドルにはなれなかったものだが、現在はそうでもないらしい。そのぶん、競争は激化。   「最近では注目を浴びるため、一部のアイドルが客席にダイブをしたり、故意にスカートの中を見せたりするなどパフォーマンスも過激になってきています」(さなえさん)  さらに、前出のみかさんがこう話す。 「アイドルにあるまじき下ネタだらけ、炎上芸だらけのグループもある。でも、手っ取り早く有名になりたいなら、そういうスタイルもひとつの正解だとも思うんですよね」(みかさん)  運営側の必死さに、売れたいという気持ちからアイドルも応えてしまうのかもしれない。

アイドルとして、現実的に必要なことだけど…

 前出のプランクスターズの募集条件は、現役アイドルにとっては珍しいものではないらしい。みかさんは、むしろ「ある意味、親切」だという。 「はたから見たら過酷で、未経験の子にはハードルが高いかもしれませんが、どこの募集でもわざわざ言わないだけで、いちばん現実的に必要なことが書いてある。表立って、それを教えてくれる運営はいないけど、あらゆることに“耐えられるか”もアイドルには不可欠なのかもしれません。良いことばかりをチラつかせるよりよっぽど信頼できます」(みかさん)  実は見た目以上に今のアイドル活動は、メンタルが強くないとやっていけないようだ。  最初に条件を提示しているのはある意味誠実であるという意見もあるなか、さなえさんは18歳ながらも大手事務所まで含めてアイドル業界に蔓延しつつある「当たり前」の感覚に葛藤も覚えているという。 「アイドルになりたい女の子がいる以上、今後も増え続けていくと思います。ただ、アイドルに限らず、芸能界やスポーツ界でもSNSの誹謗中傷などが問題視されるなか、おとなたちには、きちんと守ってもらいたい。責任を放棄しないでほしい。過酷なのが当たり前、ではないと思います。ひとりで溜め込んで、壊れてしまう子もいます」(さなえさん)
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ファンにされて嫌なこと
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出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration

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