ポッカサッポロが、本当にカレーを飲み物に。「カレーをストローで飲む人」から着想
昔ながらのギャグで“カレーは飲み物”とよく言われるが、2021年8月23日にその言葉を具現化した商品「カレーな気分中辛」がポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社から登場した。
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発売後、消費者からは「カレーは飲み物がついに現実に」「これぞ飲むカレー」「興味がわくことに挑戦している」「美味しかった」といった声があがったという。また、テレビ番組への露出も相次ぎ、Twitterのトレンドにも入ったそうで、後日、SNSでは「なかなかお目にかかりません」「まだ出会えてない……」といった声も見受けられた。
清涼飲料業界の業界団体である一般社団法人全国清涼飲料連合会によると、2020年はコロナ禍の影響を大きく受けて、清涼飲料水の生産量は前年比95%と2年連続のマイナスに、また販売金額は前年比93%で着地したという。新型コロナの影響で、運営する自販機や、飲食店などに提供する飲料事業の苦戦が続いている同社だが、「“飲む缶カレー”は、食事に合わせる汁物として、新たな喫食シーンを獲得できると考えました」という加工食品事業部の藤田良美氏に詳しい話を聞いた。
170グラム入った「カレーな気分中辛」の缶には、カレースープ(清涼飲料水)という名称が記載され、希望小売価格は140円(税別)となっている。
「カレーな気分中辛は、レトルトカレーをストローでそのまま飲むという方の話をテレビで観て着想を得たことが、開発のきっかけです。缶入りスープのNo.1メーカーである当社は、『じっくりコトコトとろ~りコーン』や『冷製缶スープ』の缶入りスープを小腹満たしニーズに対応する商品として販売しています。他に市場を活性化でき、缶入りコーンスープとも違うニーズを充足できる商品はないか構想を練っておりました」
スパイスを10種類使用した“飲む缶カレー”というコンセプトの「カレーな気分中辛」は、カレー店の食べ歩きや市販のカレー商品をいくつも試食したり、グループ会社のスパイスメーカーであるヤスマ株式会社から勉強会でアドバイスをもらったりなどして商品化を目指したという。
発売までに「通常商品の4倍の時間(約2年間)をかけた」という「カレーな気分中辛」の開発プロセスについてはこう語る。
「缶を1本おいしく飲み干すためには、辛すぎてもだめですし、とろみについても弱いとカレーとして充実感がなく、逆にとろみが強過ぎてものどごしが悪くなりますので、辛さ・とろみ・コクのバランスも注意しながら味を決めていきました」
しかし、味作りが決まったところで、発売にむけて新たな課題にぶつかったという。
「『カレーはにおいや色が強いので扱いづらい』という工場における製造上の課題です。その調整のため、実は一度発売が延期になっています。しかし開発する時間が増えたとポジティブにとらえ、粉末スープと液体スープを長年研究してきた“スープのエキスパートたち”からのアドバイスを参考に独自の製造方法をあみだし、工場での製造が可能となりました」
【bizSPA!より転載。リンクなど元記事に移動します】⇒レトルトカレーをスープで飲む方から着想
おいしく飲み干すための開発秘話
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