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お金持ちはコロナ禍をどう過ごしたのか。今こそ「次への準備期間」

派手に遊んだ記憶はない

お金持ち 石橋さんが「ミドルクラス」ならば、年収2000万を超える本物のお金持ちはどんなコロナ禍を過ごしたのか。 「海外に行っても隔離期間があるので、まず旅行をしようとは思いませんでした。国内の車で行けるような場所に妻と2人の子どもと一泊したくらい。ほかのみんなが行きたがっている時は、黙って様子見をしていたほうが得でしょう」  都内の外資系コンサルティング会社勤務・須藤正二さん(仮名・40代)は年収2000万超。巷では「ヤングエグゼグティブ」とも言われるような華やかな生活を送っている。自宅は東京・佃島のタワマンで、自家用車はアウディの現行型SUVという、絵に描いたような「勝ち組」ライフを送っている。  しかし、コロナ禍で「派手に遊んだ記憶」は全くなく、今こそ「次への準備期間だ」と鼻息は荒い。 「カネを儲けるためにやっても、絶対に裕福にはなれない。みんなが遊んでいるときに仕事して、勉強するから差がついて、それが生活に返ってくるんです。私はファイナンシャル系の資格を取るためにまとまった時間ができたと喜びました。一方、妻は英語に加えてスペイン語の勉強を始めている。コロナ禍明けはもうすぐですからね」(須藤さん、以下同)  かつては働けば働くほどお金になる、と考えていた須藤さん。だが、年齢を重ねて立場が変わると、裕福な人たちがいつ何をしているのか、理解できるようになったという。

慌ててどこかへ出かけても「いい体験にはならない」

「遊びも大切です。しかし宣言が明けて、慌てて一斉にどこかへ出かけても、それはあまりいい体験にはなりません。  今は、勉強などで自分に投資をする期間。旅行やレジャーはもっとゆっくり、余裕を持って計画的にやる。そうすれば、遊びから得られることも増えるし、仕事にもつながるはずですから」  コロナ感染者が急速に減り、「そろそろいいだろう」と知人に連絡、居酒屋の予約を取り付けた人も少なくないはずだ。コロナ禍はネット通販の衝動買いで遊びに行けない鬱憤を発散させたような気になり金欠。その結果、何もやる気が起きず、食っちゃ寝の繰り返しで過ごす……。  筆者もそんなひとりだが、お金持ちとの“差”は、いま目に見えているものよりも、ずっと大きいのかもしれない。コロナ禍をどう過ごしたかで、アフターコロナの世界の「見え方」さえも変わっていそうだ。 <取材・文/森原ドンタコス>
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