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マハラージャン、ターバンを纏う謎多きアーティストにハマる人が増加中

音楽への想いを抱えながら過ごした会社員時代

マハラージャン とはいえ、なんでも適当に書けるわけではない。大事にしているのは実体験が反映されていることで、言いたいことがなかなか言えない、人の目が気になるといった感覚は、過去の社会人経験が強く出たものだ。 「CM制作の会社にいましたけど、過酷な現場もつらいし、やっぱり音楽をやりたいと思いながら仕事をするのがつらかった。でも、思い切って辞めてみたら、今までできなかったことや出会いがたくさんあって、どんどん違う世界が見えてくる。後悔はないです」

「好きなことがあるだけで尊いこと」

 その思い切った判断ができないから悩んでいる人が多いのだが、マハラージャン曰く「好きなことがあるだけで尊いことを忘れないほうがいい」とのこと。歌詞に自虐が多くてもサウンド自体がダークにならないのは、これだけは素敵な世界であってほしいという強い音楽愛の表れだろう。 「音楽業界に進んでいなくても、作ることが自分のセラピーになっていたんです。何があっても好きなことをやったほうが絶対に自分のためになるし、最終的には世の中のためになるんじゃないかとさえ思ってますよ」  使命を抱き、忙しく制作を続ける現在。コミカルかつ本格派なサウンドでいずれ世界を目指す予定。その表情に冗談の交じる様子はないのであった。 【マハラージャン】
マハラージャン

セーラ☆ムン太郎(KERENMI Remix)

東京都出身。大学院卒業後、CM制作会社に就職。社会人としての劣等感や苦悩をヒントに「スパイス×ダンスミュージック」のスタイルを確立。2019年に初のEP「いいことがしたい」を発表。同業者を中心に話題を呼ぶ。今年3月に発表したEPの人気表題曲を、大物プロデューサー・蔦谷好位置の変名プロジェクト「KERENMI」がリミックスした「セーラ☆ムン太郎(KERENMI Remix)」が配信中。マハラージャンのファンだった蔦谷がSNS上で願い出たことがきっかけで実現した <取材・文/石井恵梨子 撮影/尾藤能暢>
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